「メノポハンド」という言葉をご存じでしょうか。「メノポハンド」とは、更年期の女性に多い手の変形や指の痛みやしびれといった症状のことをいいます。具体的にどういった症状があるのか、また対処法について専門医に聞きました。 　　　　　　　 最近、整形外科業界で話題となっているという「メノポハンド」について福井市にある木田整形外科の中嶋宰大医師に聞きました。 　 中嶋宰大医師： 「メノポハンドは女性によく起きる、手の腱鞘炎や関節に起きる症状。手指の関節の痛みやしびれ等が起きる」 　　　 具体的には、指を伸ばそうとしても引っかかってしまう「ばね指」や指の第一関節が腫れて変形する「へバーデン結節」などが挙げられます。女性に発症が多い理由について中嶋医師は「エストロゲンという女性ホルモンが低下する更年期以降に多く発症するから。女性ホルモンが原因ではないかと注目されている。また、若くても産前産後はエストロゲンが激しく変動する時期なので、発症する可能性はある」と話します。女性ホルモンのエストロゲンは、指の血管を広げたり関節の滑膜を柔軟にして腱や腱鞘を保護する役割を果たしているといいます。 　　 メノポハンドへの対処法については「エクオールという成分が女性ホルモンのエストロゲンとよく似た構造体で、大豆製品（納豆、豆腐、豆乳）に多く含まれるといわれている。ただし、摂取しても体の中でエクオールを生み出せない人もいるのでエクオールのサプリで補うことが重要になる」と教えてくれました。 　　 手の健康を保つために簡単にできるストレッチ法も聞きました。 　　 ▼手首のストレッチ 肘を伸ばした状態で腕を伸ばし、手首を反らします。反対の手で反らしながら気持いい所で止めます。そのまま10秒。次に手首を下にそらしていく。こちらも10秒、この動きを繰り返します。 　 ▼指の開閉運動 ゆっくりと指と指の間を広げていく。そのまま5秒から6秒キープします。ゆっくりと元に戻します。これを10回繰り返します。 　　 ▼グリップエクササイズ 握りこぶしの状態から手のひらを広げるように伸ばします。指先を伸ばし、直角に倒す。それ各動作4秒ずつを繰り返します。 　　 最後に中嶋医師は「指の関節の変形で長年困っている方が多くいる。メノポハンドという言葉も最近、学会で認知されるようになってきた。まだまだ浸透していないと思うが、困っている人は一度受診してもらえれば」と呼び掛けています。