江口のりこ × 中条あやみインタビュー「街の温かみは人が作り出しているもの」
巨大な閘門“尼ロック”によって水害から守られている街・兵庫県尼崎市を舞台にした映画『あまろっく』が4月19日(金)より全国公開される(兵庫県では12日(金)に先行公開)。 【写真】中条あやみ、江口のりこインタビューのアザーカット エリート街道を進んでいたが理不尽なリストラにより失業した優子(江口のりこ)は実家に戻り、能天気な父(笑福亭鶴瓶)と再び暮らし始める。そんな中、父が連れてきた再婚相手は20歳の早希(中条あやみ)。関西出身のキャストとスタッフで作り上げた本作は、家族に感じる“めんどくさい”もすべて笑いと楽しさに変え、人と街の温かみが残る。W主演を務めた江口のりこと中条あやみに関西ならではの元気の源について話を聞いた。 ──お二人とも関西ご出身ですが、オファーが来たときの気持ちをお聞かせください。 中条あやみ(以下、中条)「中村監督がわざわざ東京に来てくださったんです。『こういう脚本があるんですが』と5年くらい温めてある脚本を拝見して、一人一人の登場人物に監督の思いが感じられる脚本でした。この作品を作りたいんだという熱を感じて、ここまで自分で書いた作品に思いを持っている方にお会いしたことがなかったので、この作品に携わってみたいなと思いましたね」 江口のりこ(以下、江口)「私は単純に関西に1ヶ月滞在しながら撮影できるというだけで決めました(笑)。関西は育った街でもあるので、やっぱり帰ってくるとホッとしますし。そこにひと月もいて撮影できるのはとても嬉しかったので」 中条「私も大阪出身で尼崎も関西らしい部分は同じだなと思ったところがあったので、とても親近感が沸きました」 ──映画のテーマである「人生に起こることはなんでも楽しまな」という言葉は、関西らしい人情味を感じます。改めて関西(尼崎)の魅力はどんなところですか。 江口「例えば初めて買い物する時もお釣りをもらって『おばちゃん、ありがとう』と普通に言うのですが、東京だと店員さんに『おばちゃん』って失礼だなと思う時もあるし、関西は初対面の人では親しみを込めていう言葉なので、関西人は会話の中での距離感が近いかもしれないですね。」 中条「確かに。私も関西にいる時は『おばちゃん、ありがとう』と言っているかも。あと私もそうなのですが、お節介やなと思いますね。先日大阪でエレベーターに乗ってたら、おっちゃんが真ん中に陣取っていて、エレベーターが開いた時にベビーカーをひいた女性が待っていて、結構満員だったので諦めようとしていて。すると、いきなりおっちゃんが『全員つめたれや!』と乗っている人に声を掛けて、みんなで詰めてベビーカーを持っている女性は乗れたんです。乗れたのは良いんですが、今度はそのおっちゃんがベビーカーの女性に『ありがとうって言えや!(笑)』って言っていて、お節介だなと思って(笑)」 江口「お節介っていうかな、俺がこれだけやってやったのにってことやな(笑)」 中条「この光景は関西ならではだなと思いました。それが割と普通というかよくある光景で。確かに東京にいる方が距離感は気をつけていて、大阪では気にせずに話していると思います」