『M-1』王者が令和ロマン優勝の理由を分析 しゃべくり漫才→設定漫才の“作戦”に「功を奏してる」
ABCラジオ『ますだおかだ増田のラジオハンター』
2002年の『M-1グランプリ』王者・ますだおかだの増田英彦が26日、ABCラジオ『ますだおかだ増田のラジオハンター』(木曜正午)に出演。22日に決勝が行われ、令和ロマンが史上初の連覇を果たした今年の『M-1』について語った。 【写真】「ますます可愛く」「変わってない!」 『M-1』で話題となったアーティストの近影 第2回王者は、ロケ地・秋田のホテルで大会を初めてリアルタイム視聴したという。「笑神籤(えみくじ)を引いた(柔道男子五輪連覇の)阿部一二三選手のくじ運がすごいね。まずそこにびっくりしたよ」と発言し、「令和ロマンが優勝しましたけど。いきなりトップバッターでね、令和ロマンが引かれて。あの瞬間に令和ロマンの空気になったよね。賞レースでトップバッターって嫌やけど、令和ロマンに関してはあれがベストやったんちゃう」と見解を示した。 「アレで一挙に会場盛り上がったし、ちょっと令和ロマンの空気になったし。出てきて“ザ・しゃべくり漫才”で1本目ドーンやったやんか。がっつり“ザ・しゃべくり漫才”やられてってなったら、その後漫才やるコンビって、コント設定の漫才とか、キャラ漫才とか、変化球漫才とかはよほどのものを出さないと、令和ロマンよりも上に思われにくい状態になるわけですよね。トップバッターでドーンかまして、後が厳しい感じにするでいくと、第1回(01年)の中川家優勝のパターンやね」と分析。 「ちょっとしゃべくり漫才を見た空気の後、逆に(同じ)しゃべくり漫才が行く方が(いい)。自分らがしゃべくり漫才やったら“次行きたい”って思うよね。何でか言うたら、比較されやすいし、分かりやすいし、令和ロマンより単純に笑いとったらいいわけやから。って行くと、第2回の我々が優勝したときのハリガネロックの後にますだおかだが漫才しに行ったパターンですよね」と振り返り、「単純に分かりやすく比較してもらえるっていう。“さっきより笑いとったらいいんでしょう”って感じで行く」と明かした。「だからあの日やったら、ダイタクとかエバースとかが(2番手に)行ってたら、どうなっててんやろうと。最終的な結果は変わらないとしても、番組の流れとか空気とか」とベテランらしい考えを披露した。 「最初にやって後をつぶすパターンと、後にやって先をつぶすパターンとツーパターンあるわけやんか。令和ロマンが作った空気の中で結果を出せたのが決勝に残ったバッテリィズと真空ジェシカになったってことやろうね」とコメント。バッテリィズについては「“バカ漫才”って言われるキャラ漫才なのか分かんないですけど。その系統で優勝してたら、錦鯉とかの枠みたいな感じになるのかな。明るさ、楽しさあるよね」と話し、エルシャラカーニやスマイルが出てきたときの雰囲気があるとした。 今後が期待されるバッテリィズは「来年めっちゃテレビ出るよね、彼ら。あんだけ爪痕残して。1本目終わった瞬間に、“彼らのもう1本のネタが見たい”という空気になったやんか」と健闘を称賛。「来年1年間でテレビ出て行って、それがM-1にとってプラスになるのか、マイナスになるのか。結果を残したものにしか来ないハードルが来るよね」と真価が問われるとした。 最終決戦について、増田は「令和ロマンが作戦か計算か分かりませんけど、1本目はしゃべくり漫才で、2本目は設定入る漫才になってきたじゃないですか。これも1つの作戦として見た時には、同じようなしゃべくり漫才で行くと、1本目と比較される。これが系統違う漫才を持ってくると、単純にほかのコンビとの比較に審査員はなるんじゃないのかな。人それぞれ誤差はあるかも分からんけど、同じようなしゃべくり漫才やったときに“1本目の方が良かったな”って。当然面白いネタを最初にするっていうコンビが多い中で。全然違うのを持ってきたのも、たまたまか知らんけど、それも功を奏してるなと。設定に入る漫才のベストのヤツ(ネタ)と、しゃべくり漫才のベストなヤツをあの日に令和ロマンが持ってきて、それがビシッとは待ってた感じがするよね」と思いを明かした。 「“来年は出ない”って言うてるんでしょう」と令和ロマン・高比良くるまの意向を紹介した増田は、「来年、審査員やるんですよね?」とこれまた高比良の発言を“決定”かのように触れた。笑いが起こる中、「面白いのが来年審査員して、再来年もう1回出て優勝するっていうカッコよさあるよね」とまさかの展開を予想し、「令和のロマンやね、これ」と達成すればすごいとした。
ENCOUNT編集部