「トランプ効果」で明暗分かれた韓国株式市場
2次電池と再生可能エネルギーは泣き、造船・防衛産業は笑った
株式市場の投資家は未来を売買する。期待を買い、悲観を売る。期待と悲観は過度に膨らむ傾向があるものの、そのおかげで株価の変動幅が大きくなり、今後の実体経済の変化の見通しを立てるのに役立つこともある。 第47代米国大統領選挙でドナルド・トランプ共和党候補の当選が有力になり、当選が確定した6~7日、ソウル株式市場では2次電池関連株が大幅に値下がりし、風力発電など再生可能エネルギー関連株も下落幅が大きかった。一方、造船と防衛産業の株は大幅に値上がりした。 2次電池材料を生産するポスコフューチャーM(Posco Future M)は2日連続で下落した。6日の8.26%に続き、7日にも2.54%下落した。エコプロBM(Ecopro BM)も6日に8.63%値下がりし、7日にさらに2.45%の下げ幅を記録した。2次電池関連の上場指数ファンド(ETF)であるタイガー(TIGER)2次電池ETFも5日の終値基準2万230ウォン(約2240円)から7日には1万8605ウォン(約2060円)へと2日間で10.1%も大幅に下落した。 サムジョンKPMGは7日に発表した報告書で、「(トランプ政権で)完成車輸出関税引き上げおよびインフレ抑制法(IRA)の電気自動車(EV)税額控除縮小の可能性が高い」とし、「高度な製造業の生産税額控除(AMPC)条項も縮小された場合、韓国の自動車および2次電池企業の収益性が低下するだろう」との見通しを示した。現代自動車は前日に3.65%下落したが、7日には0.48%持ち直した。 風力発電機用風力タワーを作るCSウインドーは6日に8.72%下落し、7日も2.76%の下げ幅を記録した。太陽光モジュールの販売を主力とするHD現代エネルギーソリューションも2日連続で値下がりし、10%以上大幅に下落した。新再生可能エネルギーに否定的な態度を示し、化石燃料関連の環境規制の撤廃を掲げた「トランプ効果」が反映されたのだ。 造船会社と防衛産業関連株は大幅に上昇した。ハンファオーシャンが21.76%、HD現代重工業が15.13%値上がりした。防衛産業電子メーカーのハンファシステムは前日6.27%上昇したのに続き、同日も8.29%の上げ幅を記録した。トランプ氏は「孤立主義」に基づき、世界各国に防衛費の負担を増やすよう強く求めるものとみられている。大統領室はこの日午前、トランプ当選者が尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領との電話会談で、「米国の造船業に対する韓国の協力が必要だと言及した」と伝えた。 市場では、米国に工場を建てる半導体企業に補助金を与える「半導体法(CHIPS法)」を批判してきたトランプ氏が、どのような具体的な行動を見せるかに神経を尖らせている。7月初めから大幅な下落が続いたサムスン電子の株価は、6万台が崩れてから横ばい状態だ。6日に0.52%下落したが、7日には0.35%上昇した。 トランプ氏はウクライナ戦争の早期終結を進めると公言してきた。これを受け、戦争終結後の再建事業への期待が高まり、HD現代建設機械が6日17.39%上昇したが、7日には6.23%下落した。 トランプ氏の当選が確定すると、米ニューヨーク株式市場では景気浮揚に対する期待で銀行株価が急騰するなど、全般的に大幅に上昇し、6日(現地時間)のダウ指数など3大指数がいずれも過去最高の上げ幅を記録した。一方、韓国証券市場では業種間の明暗が分かれる中で、期待よりは懸念の方が強く働いた。KOSPI(韓国総合株価指数)は、6日に0.52%下落したが、7日には0.04%持ち直した。時価総額で2次電池関連株の比重が大きいコスダック指数は、6日に1.13%下落したのに続き、7日にも1.32%下落した。 チョン・ナムグ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )