免震装置の新認証制度、7月1日から運用開始…公的試験施設で性能を確認
国土交通省は26日、地震時に建物の揺れを抑える免震装置の新たな認証制度を創設し、7月1日から運用を始めると発表した。兵庫県内にある公的な試験施設で実物の装置を検査し、人命を守れる性能が確認されたものに建築基準法に基づく大臣認定を与える。これまでメーカーの工場などで免震性能が調べられていたが、データの改ざんが相次ぎ、不正の温床と指摘されていた。
免震装置には、地面と建物の間に入れる「免震ゴム」などがあり、今年1月の能登半島地震でも、免震構造を持つ病院などの被害が最小限に抑えられたという。
新制度では、内閣府の大型研究プロジェクトで昨年、兵庫県三木市に整備された大型試験施設「E―アイソレーション」を活用。これまで調べることが難しかった実物の装置を持ち込んで検査できるようになり、大地震の揺れを再現し、メーカーとは独立した専門家チームが性能を評価する。
国交省は今後、メーカー独自の試験も認めつつ、新制度の活用を促す施策を検討する。担当者は「試験用の装置では性能を推定する必要があり、実物で調べるメリットは大きい。免震の重要性と新制度の利点を発信していきたい」と話した。