【競歩】池田向希の所属先が血液ドーピング全面否定「処方薬副作用で血管内溶血など起きたため」
陸上男子競歩の池田向希(26)が、世界陸連の独立不正監査機関にあたるアスリート・インテグリティ・ユニット(AIU)から血液ドーピングの疑いで暫定的な資格停止処分を受けた件について、所属する旭化成が2日、ホームページ上で発生の経緯や今後の対応に関するプレスリリースを発表した。 【写真】競歩の池田向希 同社は池田へのヒアリングや専門家の意見をもとに情報を整理し、規則違反はなかったと説明。AIUに対し、暫定的資格停止処分の取り消しを求める申し立てをするとした。 池田は今年6月、昨年6~8月にかけての血液検査値から血液ドーピングへの疑いがあること、弁明がある場合には所定の期日までに提出すべきこと、等の通知を受けた。それを受け、国立スポーツ科学センターで保管されていた血液検査データの情報や、アンチ・ドーピング分野の専門家の知見をもとに原因を分析した。 その結果、池田のヘモグロビン等の数値が変動したのは、当時の練習や生活環境、体質や処方薬の副作用によって血管内溶血や消化管出血が起きていたためであり、血液ドーピングによるものではないとの見解で一致した。同7月24日に、その旨の弁明書をAIUに提出したという。 旭化成は経緯を明らかにした上で「池田選手本人のヒアリングのみならず、医学的見地から専門家の方々の意見書をちょうだいし、池田選手にアンチ・ドーピング規則違反はないものと認識しております。そのため今後も池田選手が潔白を証明するために活動を全面的に支援してまいります」と血液ドーピングの可能性を全面的に否定した。 池田も、同社を通じ「全く身に覚えのない理由で今後の試合に出場できないかもしれない状況となり、たいへん困惑しております。6月28日にAIUから通知を受け取って以来、多くの医学専門家、競技関係者その他関係者の方々にご協力いただき、潔白である事実を根拠とともに訴えてまいりました。今後真実が明らかになり、公正な結論が導かれるよう引き続き努めてまいる所存です」などとコメントした。 池田は21年東京オリンピック(五輪)20キロ競歩で銀メダルを獲得。22年世界選手権オレゴン大会でも銀メダルをつかみ、今夏のパリ五輪では7位に入った。タレントの池田美優(みちょぱ)の、はとことしても知られている。