工藤阿須加「嘘だろ!?原作から出てきた?」再現度の高い共演者に大興奮!念願の役を演じた喜びを語る
工藤阿須加さんが、念願の役を演じた喜びを語りました。 野田サトルさんによる大人気コミックを原作にした、映画「ゴールデンカムイ」に出演中の工藤さん。本作は、日露戦争終結直後の北海道を舞台に、莫大なアイヌの埋蔵金を巡る一攫千金ミステリー。 【写真】映画「ゴールデンカムイ」で月島基を演じた工藤阿須加 厳しい大自然の中で埋蔵金の在りかを示す、24人の囚人の体に彫られた「刺青人皮(いれずみにんぴ)」を求めて、“不死身の杉元”こと元陸軍兵・杉元佐一(山﨑賢人)とアイヌの少女・アシㇼパ(山田杏奈)が大日本帝国陸軍第七師団や歴史上の人物たちと渡り合う壮大な物語です。 本作で、杉元とアシㇼパを追い詰める第七師団・月島基軍曹を演じる工藤さんに、原作と月島役への思い、強烈な個性を放つ他の登場人物について聞きました。
「もし自分が演じられるなら、絶対に月島がいい」
――工藤さんは原作の大ファンとのことですが、月島基役のオファーを受けたときの気持ちを教えてください。 原作を連載当初から読ませてもらっていたので、率直にうれしい気持ちと、「自分で大丈夫ですか?」という不安の両方がありました。連載が後半に進んだあたりでは、「もし実写化して、自分が演じるのならば…」という思いが頭にありながら読んでいました。 月島軍曹の大ファンで、「もし演じられるなら、絶対に月島がいい」と思っていたので本当にうれしかったです。いち原作ファン、そして月島ファンとして、自分の思う月島を全力でやらせていただこうという気持ちで挑みました。 ――月島を演じるうえで準備したことは? 原作をもう一度読み込みました。原作はマンガなので、もちろんその絵のイメージを大事にしなければいけませんが、そこに引っ張られないように活字だけの台本から受けるイメージを自分の中でどう膨らますのかに苦心しました。 本作では月島という人物の背景については、ほぼ描かれません。僕は月島の“過去”を本作ではどこまで表現するのかを、すごく気をつけながら丁寧に役に落とし込んでいきました。 あとは、癖の強い魅力的なキャラクターがいっぱいいる中で、月島は軍人なので肉体的にも精神的にもタフでなければいけないし、銃の扱いにも長けていないといけない。自分の持てる限りで挑まないといけないと思っていたので、そういう準備は一つひとつ丁寧にやれたのではないかなとは思います。 ――月島といえば鍛え上げられた肉体が魅力でもあります。映画のビジュアルが公開された際には、工藤さんをはじめ、共演者のみなさんのキャラの再現度の高さにネットがざわつきました。 この作品に出てくるほぼ全員がすごい肉体ですよね(笑)。僕に対してもそう思っていただけたなら良かったです。まずはビジュアルだけでも、「月島だ」と思ってくださる方が多いのであればうれしいですが、何よりも劇場で見ていただいたときの印象が勝負だと思っています。 ――月島は一見クールですが、内に秘めてるものがとても多い人物だと思います。工藤さんから見た月島はどういう人物なのでしょうか? まず、時代でいうと舞台は日露戦争の中頃から終結後にかけての話で、あの時代を生き抜いた人間という意味でも、月島は戦士といえる本当に強い人物です。任務を遂行するために自らをも犠牲にします。その精神力を自分で掴もうと思ってもなかなか掴めませんが、そこに重きを置いて自分の中でイメージを膨らませることを大切にしました。 本作では描かれませんが、原作では月島が第七師団に入ることになった経緯も出てきます。月島が最初から冷徹で機械みたいな動きをしながら鶴見篤四郎中尉(玉木宏)の側近として、ただ任務を遂行する人物なのかというと…。 物語の後半になればなるほど、みなさん月島を好きになる瞬間がやってくる。「月島~!そんなことがあったのかお前!」みたいな(笑)。 それを経て、鶴見中尉という大きな存在に人生を握られている中で、人として生きていくという選択を彼がしたときの葛藤には涙するものがあるというか、心を打たれるものがあるので…僕が月島を好きな理由はそこですね。 ――玉木さん演じる迫力ある鶴見中尉と向き合ってみていかがでしたか? いやもう、玉木さんの鶴見中尉は最高ですよ!鶴見中尉もそうですが、元新撰組副長・土方歳三(舘ひろし)、“不敗の牛山”と呼ばれる牛山辰馬(勝矢)のクオリティがもう半端なくて、「嘘だろ!?原作から出てきた?」と思うようなお三方なので、「ゴールデンカムイ」の世界に入った感じがして大興奮でした。 玉木さんが“鶴見中尉”という雰囲気で現場に存在してくださるからこそ、僕も月島軍曹として現場にいられる時間を本当に大切にできました。鶴見中尉が玉木さんで良かったなと心から思います。