コットvs亀海の世界戦決定をジム後輩村田も「心踊る。史上最大の世界戦」
村田の表現は決して大げさではない。 おそらく日本人ボクサーとして、過去最大級のビッグファイトだ。1973年にガッツ石松氏が、WBA世界ライト級王者の“石の拳”ロベルト・デュラン(パナマ)に敵地で挑戦して10回KO負けを喫しているが、まだデュランが名勝負を繰り広げる前だったし、近年では2012年に帝拳の西岡利晃氏が、IBF・WBOの世界スーパーバンタム級王者のノニト・ドネア(比国)と米国で対戦して9回TKO負けした世界戦もビッグマッチだったが、軽量級だったため、中量級の元名王者のコット戦とは、その規模は比較にならないだろう。 村田はさらに「1試合で10億以上稼ぐ超がつくスター選手、ミゲール・コットと、同じジムで練習している亀海さんが試合するなんて、しかも世界タイトル、夢が夢じゃなくなるということの証明です。このスーパーファイトがボクシングファンだけじゃなく、大きく広がり、ボクシングの持つ可能性(競技の魅力)が伝わることを強く願います」と続け、「ボクシングには夢がある!」という言葉で締めくくっていた。 ミドルという夢舞台でチャレンジを続けている村田らしいコメント。 まだ村田は進退を明らかにしていないが、同じジムで汗を流している先輩ボクサーが上がる史上最大級のリングが、その決断に大きな影響を与えることは間違いない。 表現は陳腐だが、亀海がコットに勝てば、元近鉄の野茂英雄がドジャースのエースとしてメジャーリーガーに立ち向かい、大旋風を起こして、日本の野球の定義や存在価値を変えてしまった“日本スポーツ・ルネッサンス”のボクシング版が起きるだろう。さらに村田がミドル級で続けば、日本のスポーツ界におけるボクシングの存在が劇的に変わるのかもしれない。亀海は、そういう歴史的な世界戦に挑むことになる。