「十角館の殺人」主演に抜擢。19歳の超新星・奥智哉が共演した青木崇高を“特別に感じた”理由
「実写化不可能」とされてきた、ミステリー界の巨匠・綾辻行人原作による『十角館の殺人』が映像化。 【画像】奥 智哉さんの撮りおろし写真をもっと見る! 難事件の真相を暴く主人公・江南(かわみなみ)に抜擢された奥 智哉が、「仮面ライダーリバイス」や「みなと商事コインランドリー」など、自身の俳優としてのキャリアを振り返ります。
●父親が事務所に履歴書を送る
――幼い頃に空手を習われていた奥さんですが、当時の夢は? 空手は四つ上の兄がやっていたこともあって、小学1年から6年まで、6年間習っていました。ただ、空手のチャンピオンになりたいという気持ちはなかったです。 幼稚園のときに、「パティシエになりたい」と言っていた覚えがあります。春巻きの皮を使った焼かないクレープを作ったりするのは好きでしたけれど、特に甘い物好きとかではなくて、なんとなく言っていたような気がします。 ――そして、映画『るろうに剣心』との出会いになるわけですね。 小学6年生のときに、父親に「将来何になりたいの?」に聞かれたのですが、たまたまテレビで放送されていた『るろうに剣心』の番宣を見ながら、冗談半分で「自分も役者さんみたいなことできないのかな?」みたいなことを言ったんです。 そうしたら、いつの間にか父親が履歴書を今の事務所(アミューズ)に送っていたようで、その1~2ヶ月後ぐらいに事務所から連絡が来ました。 ――あまりの急展開に、戸惑いませんでしたか? 「もし受かったら、お仕事を頑張ってみようかな?」「別に受からなかったら、中学で部活頑張ろうかな?」程度の気持ちだったんですが、中学の3年間はレッスンを中心にした活動でした。 その合間に、いろんなオーディションを受けては落ち続け、やっと受かったのが、蜷川実花監督のドラマ「Followers」でした。
●17歳で、転機となった「仮面ライダーリバイス」に出演
――いきなり蜷川組の現場はいかがでしたか? 初めての映像作品で、右も左も何も分からない状態だったこともあって、そのときは蜷川組の“特殊さ”に気づけなかったんですが、今思い返せば、煌びやかなセットだったり、小道具だったり、ハイブランドのファッションだったり、ちょっと凄い世界だったと思いますね。 あとは監督の明るい人柄による現場の空気感もありましたし、夏木マリさんや中谷美紀さん、笠松将さんなど、すごいメンツに囲まれて、仕事をしていたことが信じられないですね。 ――21~22年「仮面ライダーリバイス」で牛島光 / 仮面ライダーオーバーデモンズに抜擢されます。撮影の1年間で学んだことがあれば、教えてください。 最初「僕の役は、変身しないかもしれない」という話もあったんですが、最終的には変身させてもらえることになって、自分でポーズを考えたり、なかなかできない貴重な体験をさせていただきました。 現場でいちばん強く感じたのは、スタッフさんと役者のなかでの信頼感みたいなものが強く、当時17歳だった僕も分け隔てなく、同じ作品を作る仲間として扱ってくださったこと。あと、「とにかく謙虚に、とにかく真面目に」というところを徹底して学ばせていただきました。 ――ということは、奥さん自身にとって転機となった作品は、やはり「仮面ライダーリバイス」ですか? そうですね。いろんなことを学ばせていただいた現場でもありますし、「リバイス」での演技が後の「大奥」のオーディションに呼んでいただけるところに繋がったり、その「大奥」の演技が今回の「十角館の殺人」のお話に繋がっているので、すべては「リバイス」からという気持ちです。