異例の公務員シンガー 静岡で音楽活動19年、CDデビュー&記念ライブ開催「音で恩返しできたかな」
全国的にも珍しい公務員シンガーがステージに立った。11日に全国CDデビューし、24日には記念ライブを焼津文化会館で行った。音楽を通じて知り合った仲間も登場して約150人を楽しませた。「ファンには19年応援してくれた人もいる。今回CDという形にすることができ、音で恩返しできたかなと思います」と新たな一歩の喜びをかみしめた。 静岡市で生まれ、15歳から約100曲を作っていた音楽活動で、ようやくレコード会社の目に留まった。34歳で「銀河鉄道/三日月の晩」(1350円)の2曲入りシングルCDをリリース。ミュージックビデオも撮影した。「最初なので配信よりもCDにこだわった部分はあります。“ぬくもり”を感じるし、ミュージシャンとしての名刺代わりになりますから」。最近会えていなかった小・中学校時代の友人からもSNSでメッセージが届いたという。 静岡市立高、静岡大を卒業後、「ギター一本でやっていける自信がなかった」と地元の信用金庫に就職。オーディションもうまくいかない中、17年に登呂遺跡PRキャラクター「トロベー」の応援ソングを作る機会に恵まれた。「もう20代後半で“生き残る道”だと思いました」。それまで志した90年代のロックとは路線が違ったが、その曲で保育園児が踊っている姿を見て、喜びを感じた。 19年から焼津市役所で勤務。「やいづマリンレディ」の公式イメージソングなど地域に根ざした曲を作り、イベントで歌うことが増えていた。今回は市から兼業許可を得て、8年ほど前に作ったロック、バラード調の2曲をCD化。「公務第一ですが、自分の歌で魅力の発信もできればいいと思います」。デビュー第2弾は焼津のご当地ソングを考えている。(武田 泰淳) ◆牧野 憲人(まきの・けんと)1990年5月3日、静岡市駿河区出身。34歳。15歳の時に音楽を始め、スピッツやB’zの影響を受けた。今回のCDは、徳間ジャパンコミュニケーションズ受託レーベルmars entertainmentから全国発売。29日には東京都内で音楽ユニット「くじら座」を組む牧野くみさんらとライブを開催。
報知新聞社