【アイスホッケー】オリンピック3次予選・第2戦 日本はスペインに逆転で2勝目、全勝で最終のハンガリー戦へ!
2ピリで調整し、2試合続けての逆転
だが、ここで必要以上に長い抗議をせず、リズムを崩さなかったことが日本にとってはよかった。ゴーリーを2ピリの最初から成澤優太(レッドイーグルス北海道)にチェンジしたことも、ベンチの「グッド・ディシジョン」といえる。1ピリから代えてもよかったが、佐藤永にとっては「1ピリを最後まで守った」ことで最低限のプライドは守られたし、成澤には「2ピリの最初から行く」ことで、気持ちの準備ができたからだ。 反撃の第2ピリオド。28分、DF米山幸希(釧路ワイルズ)からブルーライン正面でパスを受けたキャプテンのFW中島彰吾(レッドイーグルス北海道)が、5人のスクリーン(日本1人、スペインは4人!)を生かしてロングシュート。これで日本が1点を返すと、33分、白樺学園高で平野の前の主将を務めたFW人里茂樹(ポーランド・カトヴィツェ)が、相手ゴール前でDF、GKを翻弄して同点ゴールを決めた。1ピリの18分で姿が消えた「第1セットの相棒」のぶんも、この試合は負けられない。そんな思いが垣間見えた。 ルースパックの寄せもだんだんと早くなってきた37分、ついに日本がリードする。五輪予選は4回目となるDF山田虎太朗(レッドイーグルス北海道)が、ジャンプアップしてスペインの5人を抜いてシュート、リバウンドも自らたたいてファインゴール! メッシの5人抜きを彷彿させる山田のゴールに気をよくした日本は、3ピリの45分、FW佐藤航平(イギリス・ベルファスト)がゴール前でノー・プレッシャーでたたいて4点目。46分に1点返されたものの、54分には山田が5点目を決め、結局6対3で勝利を決めた。 試合のMVPは2ゴールの山田。今季のアジアリーグでは、2月半ば時点で無得点だが、もともと駒大苫小牧高、早稲田大では印象に残る場面で得点が多かった。山田は「残るはハンガリー戦。(地元開催で)完全アウエーになりますが、大事な一戦なのでチーム1つになって頑張りたい」。リトアニア戦では6点すべてがFWの手によるものだったが、この日は6点のうちDFが3点(山田が2得点、石田陸=東北フリーブレイズ=が1点)。チームが1つの塊になっていることを証明するものといえる。 リトアニアとスペインは、60分の中でも後半に足が落ちてきていたが、ハンガリーはこの両チームとは違う。日本はゲームの立ち上がりから、フルスロットルで動けるか。全勝同士の対決を楽しみに、今夜は早寝することにしよう。
山口真一
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