今の60代の平均貯蓄額ってどのくらいなの? みんな「2000万円」貯金できている?
高齢者世帯の平均的な収入と支出をみたとき、老後の生活には2000万円が必要になるという話題で、テレビやネット上ももちきりの時期がありました。いわゆる「老後2000万円問題」です。いまさらそのようなことを言われても困ると思った定年間近の人も少なくないでしょう。 今回は、実際に今の60代が2000万円もの貯蓄が築けているのかを、いくつかのデータからみてみます。 ▼定年退職時に、「1000万円」以上の貯蓄がある割合は日本でどれくらい?
日本人の平均貯蓄額
貯蓄に関する調査にはさまざまなものがあり、調査対象者や調査方法などによって差が生じます。今回は、総務省統計局の「家計調査報告(令和4年)」と、金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査(令和4年)」から、日本人の平均貯蓄額をみてみましょう。 総務省統計局の家計調査報告によると、2人以上の世帯における平均貯蓄額は1901万円でした。負債の平均額が576万円のため、貯蓄から負債を差し引いた純貯蓄額の平均は、1325万円となっています。 金融広報中央委員会の調査結果によると、2人以上の世帯における平均貯蓄額は1291万円でした。家計調査報告にある純貯蓄額と、そこまで大きな差はありません。ちなみに、貯蓄額の中央値は400万円となっています。 ■60代の平均貯蓄額は? 総務省統計局の家計調査報告をみると、世帯主が60~69歳の2人以上の世帯における平均貯蓄額は2458万円です。負債を差し引いた純貯蓄額は、平均で2251万円となっています。 金融広報中央委員会の調査結果では、世帯主が60代の2人以上の世帯における平均貯蓄額は1819万円でした。家計調査報告の方が多くなっている点は、全世代の平均貯蓄額と同様です。 60代の貯蓄額に関してはさらに差が開いたものの、平均で2000万円前後の貯蓄がある点は確認できます。ただ、金融広報中央委員会の調査結果では、世帯主が60代の2人以上の世帯における貯蓄額の中央値は700万円となっています。貯蓄がない世帯も20%ほどあるため、このデータをみる限り、60代の全世帯で2000万円の貯蓄がある可能性は低いでしょう。