難敵イタリアとのサマーシーズン最終戦へ、ジョーンズ日本代表HC「最高の準備ができた」
第2次エディー・ジャパンのファーストステップとなるサマーシーズンも、次戦で終了となる。7月19日、『リポビタンDチャレンジカップ2024』イタリア戦の試合登録メンバーを発表したエディー・ジョーンズHCは5戦目となる強化試合へ向けて意気込みを語った。 【全ての写真】埼玉パナソニックワイルドナイツの小山大輝ほか 「今年のサマーシリーズとしては最後の試合となる今週末のゲームは、我々のラグビーができるよう、このサマーシリーズの総括がしっかりできるような試合をしたい。イタリアは過去最高の8位にランクしている強敵なので、楽しみにしている。この1週間、最高の準備ができたと自負している。札幌ドームは室内で、歓声が響くユニークな環境であり、興味深いゲームになると思うので、楽しみにしている」 難敵イタリアに対しても、自分たちのスタイルを貫くと指揮官とリーチ マイケル主将はキッパリ。 ジョーンズHC「今回我々のラグビーに集中して取り組んできた。好守ともに我々のラグビーをでるきように集中してきた。イタリア戦に向けてのゲームプランはもちろんあるが、あくまで我々のラグビーをするための準備にフォーカスしてきた」 リーチ主将「(対策は)ない。自分たちにフォーカスしている。自分たちのラグビー、自分たちのスクラム、自分たちのディフェンス、自分たちのキック&アタックをするために全部集中している。相手が何をしてくるかではなく、あくまで自分たちフォーカス」 今回はLOに桑野詠真を抜擢し、ジョージア戦でLOだったリーチをFLに戻したが。 ジョーンズHC「毎回セレクションはさまざまな状況を鑑みて決めている。桑野はハードワークを評価し、ラインアウトのリ―ダーであるワーナー(・ディアンズ)の負担が減ることも期待している。下川(甲嗣)が出場停止なので、リーチをバックローに戻して、ワークレートが高く、馬力のある桑野をLOに入れた」 リーチ主将「先週4番でボールもらう機会も多かったので、バックローに戻ってもそんなにやることは変わらないと思う。真ん中のところで仕事をやりたい」 9番小山大輝&10番松田力也、それぞれの控えに藤原忍&李承信という構成になった点を問われると、HCはこのように答えた。 「齋藤直人が一番手の9番だが、今回は出場停止なので。小山はフィニッシュ―としていい仕事をしている。経験値があり、タフなプレーヤーとして評価している。藤原は若手で成長目覚ましいプレーヤーなので、今回はベンチからチャンスを与える。小山は『リーグワン』での経験をテストマッチレベルで見せるチャンスとなる。イタリアはラック周りのプレーが得意なので、小山にはラック周りのディフェンスをコントロールする点と、アタックではラックからどんどん前へ出ていくことを期待している。 松田に関しては今回の合宿で合流以来、明確な課題がいくつかあった。これまでの彼のプレースタイルと違いがあり、ジャパンのスタイルに慣れてもらうために非常に厳しいトレーニングを積んできたし、その結果いい形で成長しているので今回チャンスを得ることができた。李はまだまだ若い選手、今回はフィニッシャーとして別の役割を見せてほしいと思っている」 主将の桑野と松田の評価はこうだ。 「桑野は同じ部屋で、とてもいい準備をしている。LOの分析や役割の確認を毎夜やっている。マオリ・オールブラック戦でもいいプレーしたし、練習から誰よりもハードワークして、数多くのダブルタックルをして、FWにエナジーを与えてくれている。力也は先週アピールしまくっていたので、今回のチャンスを得た。力也とは何度も試合をしたので、一緒に試合をするのが楽しみだし、力也の活躍を期待している」 ベンチに本職のWTBはいないが、問題ないと指揮官は言う。 「(李)承信は10番と12番ができ、長田(智希)はWTBだが13番のカバーもできる。矢崎(由高)はWTBもカバーできるし、もともとWTBの選手。WTBにアクシデントが起きれば、矢崎を回して、山沢(拓也)が15番に入ることができる。カバー面は問題ない」 ジョーンズHCがNO8テビタ・タタフに期待することは明快だった。 「欧州から新しいスタイルをやるのはやはり難しい。先週に関してはまだ慣れる時間が少なかったと思う。今週はハードなトレーニングを積んで慣れてきた。今週は出場時間に関わらず、キャリーキャリーキャリーキャリーと10回くらいボールキャリーしてほしい」 ジョーンズHCはイタリア代表をどう見ているのか。 「『ラグビーワールドカップ(RWC)』ではとてもいい目標を掲げ、いいラグビーを展開したが、『RWC』自体はタフな結果になったと思っている。その後、コーチも変わり、新たなスタッフを加えて、フランスのスタイルを取り入れている。とくに顕著なのが、キックの回数が増えたこと。ロングキックの回数が増え、敵陣に入ってコンテストキックを蹴るなど、スタイルが変わった。以前は自分たちのボールからアタックしていたが、今では相手のキックを受けたカウンターからアタックしている。また代表選手の80%はベネトン・ラグビーに所属し、毎週クラブで一緒にプレーしている。アイルランドのレンスターに次いでヨーロッパ2位の成熟度を誇るチームだと思う」 HCと主将は超速ラグビーの手応えを口にした。 ジョーンズHC「我々が進んでいる道筋に満足している。もちろん結果に満足していないが、進んでいる方向には満足している。とくにアタックは試合でも自分たちの見せたい形を見せられていると思う。だが、もっと一貫性を見せたい。今回は250キャップ以下の若いメンバー。スピードに乗った連係を深めるためにはもっと時間が必要だし、選手間の理解ももっと深める必要がある。ただチームは正しい方向に進んでいる。まだ時間がかかるが、今週末のイタリア戦もいい学びを得るチャンスだと思って臨みたい」 リーチ主将「宮崎合宿が始まってから毎週毎週練習の質が良くなっている。暑いにもかかわらず、選手のキャパが大きくなり、GPSの数値もいいし、選手たちの理解度も高まっている。イングランド戦もジョージア戦も20分までいいラグビーできているので、20分過ぎのゲームコントロールしていないかないといけないと思っている。やっていてとても楽しいし、やればやるほど自信が付いているので、イタリア戦では前へ出るところを見せたい」