死刑囚15人が描いた「思い」 東京・中央区で絵画展示
確定死刑囚が描いた絵画を展示する「死刑囚表現展2024」が2日、東京都中央区の松本治一郎記念会館で始まった。死刑確定後に再審無罪となり、今年2月に亡くなった赤堀政夫さんらの支援を受け、今回で節目の20年目となる。死に向き合い続ける中で生まれた「思い」を描いた426点が展示される。 【写真】展示されている死刑囚の作品=2024年11月2日午後2時43分、東京都中央区、比嘉展玖撮影 展覧会は、1974、75年の連続企業爆破事件で死刑が確定し、2017年に病死した大道寺将司元死刑囚の母・幸子さんの遺産を元にした基金の創設を機に05年に始まった。その後、再審無罪となった「島田事件」元死刑囚の赤堀政夫さんらが支援し、「死刑廃止のための大道寺幸子・赤堀政夫基金」として活動を続けている。 法務省によると、10月末時点で確定死刑囚は107人。今回展示されるのは、死刑囚15人が寄せた絵画計426点。相模原市で16年、障害者施設の入所者19人を殺害した植松聖死刑囚や、1993年に埼玉県で起きた愛犬家連続殺人事件の風間博子死刑囚の作品もある。 選考委員で評論家の太田昌国さんは「被害者は語ることが出来ないのに死刑囚が自由に表現することには、常に批判がある」とした上で、「社会的な背景を考えなければ犯罪をなくす方法を見つけられない。死刑囚がどんな内容の表現をしているのかを、拘置所の外にいる私たちが捉えようとすることは、私たちが自分の問題として考える有効な手段になるはず」と話す。 開催は4日まで。2日は午後1時~午後5時半、3日は午前11時~午後7時、4日は午前11時~午後5時。入場無料。(比嘉展玖)
朝日新聞社