Philip Lane

（ブルームバーグ）： 欧州中央銀行（ＥＣＢ）のチーフエコノミストを務めるレーン理事は16日、ＥＣＢの金融政策戦略レビューは新型コロナウイルス禍後の経済がどう展開するのかと、政策立案のため当局が何を学び得るかに焦点を絞ると明らかにした。

同理事はルクセンブルクで講演し、「われわれの2025年レビューは、コロナ禍後の経済動向と金融政策への影響という２つの大きな柱で構成される」と述べた。

レーン理事はＥＣＢが２％のインフレ目標を維持することをあらためて強調。「これは、低インフレ期にインフレ期待を再び定着させ、インフレ加速期にはインフレ期待を目標にしっかりと固定させる上で不可欠なものだ」と語った。

ＥＣＢは新たなレビューに着手しており、来年後半に結果を発表したい意向。前回は21年に終了していた。今回は期間も範囲も限定的なものとなるが、それでもなお重要な影響を及ぼす可能性がある。

レーン理事によれば、「最近のインフレの経験を踏まえ、インフレと経済環境を形成する循環的および構造的要因を評価する」レビューとなり、ＥＣＢは「予測テクニックを含む既存の分析ツールキット強化の可能性」についても検討する。

同理事は、新たなインフレ環境が政策に及ぼす影響を見極めると説明。「これには、低インフレおよび高インフレの時期から得られた教訓の再検討や、金融政策サイクルを通じて政策ツールキット手段の役割が変化してきたことに関するわれわれの経験の検証が含まれる」と語った。

「インフレ期待をターゲットに固定する上での上方および下方の脅威に対するＥＣＢの対応機能に焦点を絞り、金融政策戦略の中期的な運用の具体化をさらに検討していく」という。

原題：ECB’s Monetary-Policy Review Will Touch on Toolbox, Lane Says　（抜粋）

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