「異物はクマネズミの子ども(約60mm)であることが判明」異物混入のPasco「超熟」、誠実な対応ゆえの問題点とは?
また4月末にかけての1年間、専門事業者による定期検査をした結果として、「捕獲・活動の痕跡が見られなかったことから、工場内部で長期的に生息していた可能性は低く、工場外部にできた巣穴を拠点に侵入し、焼成前の生地に混入したものと推定されますが、詳細については継続して調査中です」などと追加で報告した。 なお自主回収対象に該当するサンプル品の細菌検査をしたところ、「いずれも一般生菌数は弊社基準値内であり、食中毒の原因となるような菌(大腸菌群・大腸菌・黄色ブドウ球菌・サルモネラ属菌)は未検出」だったとし、混入が申し出られた商品についても同様だったという。
■続報がより嫌悪感を招いた 今回の混入事案をめぐっては、初報段階からSNS上でも話題になった。とくに衛生面に対する指摘が多く、「どんな小動物が入ったのか」などと心配の声が多数上がっていた。しかし続報が出てから、より「キツいな」といった反応は増している。 続報ではモニタリング強化や、超音波発信機の設置など、具体的な再発防止策も挙げられている。本来ならば、消費者が安心するはずのアナウンスなのだが、なぜか今回は、むしろ嫌悪感を招いているように見える。その理由を考えてみると、2つの可能性が見えてきた。
まずは「薄れかけていた記憶を想起させてしまった」ことだ。食品への生物混入は、それだけでインパクトが大きい。しかも、食べる機会が多い、人気の食パンでの事案とあって、「もしかして自分も買っていたかも」と気になる消費者は多いはずだ。 不祥事に限らず、あらゆる話題は、日を追うごとに薄れる。しかし、初報から2週間という「忘れはじめたころ」に続報が伝えられたことで、最初の印象が、ふたたび色濃く浮かんできたのではないか。まだ初報の記憶があざやかなうちに、経緯と再発防止策を発表していれば、そのぶんネガティブイメージからの回復も早くなるのではと思える。