バレーボール・東レの西本圭吾「新しい東レのミドルの形を作っていきたい」退団した日本代表の高橋健太郎に代わりチームの要に名乗り
5月1日から大阪で開幕する黒鷲旗全日本男女選抜大会が開幕する。男子では13年ぶりに優勝を狙う東レが出場する。チームの軸であった日本代表のミドルブロッカーの高橋健太郎などが今季限りで退団。同じポジションの西本圭吾が、チームを引っ張る。西本はこのほど、スポーツ報知の単独インタビューで大会に向けての意気込み、3月に初の日本代表に選出されてからの心境の変化などを語った。(取材・構成=伊藤 明日香) ―黒鷲旗に向けての意気込みは? 「来季を担う選手で挑む大会。長らくタイトルも取っていないので、(2011年以来の)優勝を狙っていきたい」 ―最近のチーム状況は? 「(準々決勝で敗退した)去年と違う。誰が出るかはわからないが、リベロの武田(大周)や、セッターの小野寺(瑛輝)などいい新戦力も入ってきた」 ―日本代表のMB高橋健太郎選手やアウトサイダーヒッター(OH)富田将馬選手などが退団した。 「戦力も落ちていると周りから思われているが、そうは思わない。このチームだから出せる良さがある」 ―チームの要であった高橋選手と西本選手は同じポジション。高橋さんの退団を知り、気持ちでの変化はあったか? 「逆に抜けたことにより、新しい東レのミドルの形ができると思っている。歴代の東レのミドルには素晴らしい選手ばかり。伝統を受け継ぎながら新しい形を自分が引っ張って作っていけたら」 ―2023~24シーズン(レギュラーラウンド)の1セットあたりのブロック決定数の1位は高橋選手だが、2位が西本選手。ブロックが好調なシーズンだった。何が変わったのか? 「圧倒的に意識の違い。リーグ通してブロックで得点する機会が多かった。僕のストロングポイントはブロックと思うようになっていった。相手の映像を見る時に、スパイクのことからブロックのことを考えるようになっていった。練習でもブロックに割く時間が増えていった」 ―今後、強化していきたいところは? 「サーブ。ハイブリットサーブの正確性を高めたい。また緩急にもこだわりたい。そうすると必然的にフローターサーブが必要になる。フローターサーブは、野球でいうチェンジアップ。ハイブリットサーブを打つと相手が下がるので、下がった時にフローターサーブで急激に落ちる球を打てれば」 ―3月に代表に初招集された。 「驚いた。目標ではあったが、リーグ途中で出場が減った時期があり、代表よりもチームで出場機会を増やすために、何をするかと思っていた。どこを評価されたのかわからないけれども、自分がやってきたことは間違いじゃなかったと思えた」 ―日本代表に合流するのは黒鷲旗後、B代表でスタートするが率直な気持ちは? 「B代表の日程でやっていくと、チームから言われた時、悔しいなという感情が湧いた。B代表でしっかり活躍し、A代表に選ばれるところまでアピールしていきたい」 ―同じく日本代表の高橋選手とポジションを奪い合う立ち位置にきた。 「健太郎さん、小野寺(太志)さん含め、僕のことをライバルという認識はない。それは十分、承知している。彼らを意識させるところまで行かないと、東レを這い上がらせるところまでいけないと思っている。得た経験をチームに還元していきたい」 ―10月開幕「SVリーグ」にチームは参加するが。 「今までスポーツを収益的なところまで考えていなく、企業スポーツの延長として考えていた。だけど、僕の役割は変わらずにチームを勝たせることだと思っています」 ◆西本 圭吾(にしもと・けいご)1998年10月27日、広島生まれ。25歳。地元の向島中では野球部に所属。尾道高で友人に誘われたことにより、バレー部に入部した。福山平成大(広島)を経て、東レに入団。189センチ、93キロ。
報知新聞社