愛知県産の新品種ブランドが誕生!今が旬のイチゴのおいしさを味わいつくす!
コロカルニュース
■5年間の開発を経て、愛知県産の新品種ブランド「愛きらり」が誕生! 現在、約300種もの品種があるといわれている日本のイチゴ。よく知られている「あまおう」や「とちおとめ」といった人気ブランドだけでなく、大粒の「スカイベリー」や白色イチゴ「天使の実」など、新品種ブランドも次々と誕生し、市場競争も激化。そんななか、愛知県農業総合試験場とJAあいち経済連が、5年にわたり共同開発した新品種ブランド「愛きらり」の販売が2023年2月1日よりスタートしました。 【写真で見る】4Lといわれるサイズの大粒のイチゴ「愛きらり」 ■新品種ブランドの誕生はイチゴの素材を何回もかけ合わせて改良 愛知は、栃木や埼玉、九州地区ほどイチゴの生産が有名ではありませんが、実は生産量全国6位を誇るイチゴの名産地です。特に三河エリアは、温暖な気候と日照時間の長さで、おいしいイチゴを栽培するのに適した地域といわれています。この愛きらりは、人気の作付品種「章姫」や「かおり野」といった品種の素材を使い、改良を重ねて開発されたもの。このかけ合わせがとても難しく、5年間で開発できたのは幸運なのだとか。現在、愛知県下では約60名の農家が試験栽培し、市場へと出荷させているそうです。ツヤがあり、濃い赤色が特徴で、太陽を浴びてキラキラ光る様子はまさに「愛きらり」。 ■実際に生産農家を訪ね、「愛きらり」のおいしさを体感してみた 「愛きらり」の試験栽培をしている農家が多い豊川市で、代々イチゴ専業農家を営んでいる日恵野克好(ひえの かつよし)さんに、生産者から見た「愛きらり」についてお話をうかがいました。 「イチゴは1本の苗からどれだけ多くの実が採れるかが勝負なので、農家はその点でいろいろと苦労しています。今まで旬といわれるクリスマスシーズンや1~2月は、イチゴの収穫量が減ってしまうことも悩みのひとつでした。その点、この愛きらりは育てやすいうえ、冬場でも生産量が安定していて、1本の苗からたくさんの収穫量が見込めるのがうれしい」と日恵野さん。 実際に、ハウスの中で「愛きらり」をひと粒いただきました。まず香りが強く、食べる前から甘い匂いが漂います。ひと口かじると、「これは、イチゴ革命!」と思えるほど、スイーツを丸かじりしているような甘さが口中に広がりました。4Lサイズと大粒なうえ、ヘタの部分ギリギリまでたっぷりと甘く、ひと粒で充分、満足感が得られました。愛きらりは、11月から6月と長期間の栽培が可能で、どの時期に食べても糖度13~14度の甘さが楽しめるとか。 ■新規就農者も増加。若手農業従事者に期待が集まる 愛知県ではイチゴの専業農家の新規就農者が増加しているそうです。愛知県内のJAが新規就農研修を開催したり、先輩農家のもとで、実務研修できるなど、バックアップ体制もしっかりしています。研修後は「新規就農サポートセンター」が、農地やハウスを借りるための支援も行っているとか。 「4~5年前ぐらいから、行政も力を入れて研修制度を充実させ、毎年1~2人の新規就農者が誕生しています。うちでも現在、研修生を受け入れており、1年かけてイチゴ栽培を指導しています」と日恵野さん。農業離れが叫ばれるなか、新品種ブランドの誕生と新規就農者の話は、きらりと光る未来を感じさせてくれました。 「愛きらり」はまだ試験販売のため、一部県内の量販店で販売がスタートしたばかりですが、愛知県内には旬のイチゴが楽しめるスポットやスイーツがたくさんあります。その一部をご紹介します。