香港民主派45人に量刑言い渡し、最高は禁錮10年 国安法違反事件
2020年の香港立法会(議会)選挙を通じて政権転覆を共謀したとして香港国家安全維持法(国安法)違反で民主派が起訴された事件の公判が19日、香港高等法院(高裁)であり、民主活動家や元議員ら45人にそれぞれ禁錮4年2月から10年の量刑が言い渡された。20年6月に施行された同法に違反する事件の裁判としては最大規模。 高等法院は、戴耀廷・香港大元准教授ら4人を予備選の活動を主導した「首謀者」と認定。いずれも罪を認めていることを理由に減軽した上で、禁錮10年などの刑とした。民主活動家として国際的に知名度の高い黄之鋒(英語名ジョシュア・ウォン)氏には禁錮4年8月が言い渡された。 高等法院は今年5月の公判で被告らが立法会選挙で過半数の議席を獲得し、予算案を否決することで香港政府の機能をまひさせることを狙ったと判断。起訴された47人のうち、罪を認めていた31人を除く14人を有罪と認定していた。2人は無罪とされた。 中国外務省の林剣副報道局長は19日の記者会見で「香港は法治社会だ。だれであっても民主の名を借りて違法な活動を行うことはできない」と述べた。 民主派は20年9月に予定されていた立法会選挙に先立ち、候補者を絞り込む予備選を非公式に実施。約61万人が投票した。立法会選挙は21年12月に延期され、親中派が圧勝した。【台北・林哲平】