中国で「ロケットの残骸」に苦しめられる国民の怒りが爆発寸前…!習近平「欺瞞の月面着陸」に隠された「経済失速」と「超少子化」の不都合な真実
「月面着陸」のウラにある習近平の誤算
中国政府はこのところ国威発揚にご執心のようだ。 中国の無人月面探査機は6月4日、世界で初めて月の裏側に着陸した。中国国旗「五星紅旗」を月面に掲げ、中国の「宇宙大国」ぶりを世界にアピールした形だ。35年前の天安門事件について世界の注目をそらす狙いもあったことは言うまでもない。 【写真】これはヤバすぎる…!中国で「100年に一度の大洪水」のようす 探査機は月の裏側の土壌サンプルを世界で初めて地球に持ち帰るとしている。 この成功に自信を深めた中国政府は「2030年までに有人月面着陸を実現させる」との計画を発表している。 だが、華々しい成功の陰に「不都合な真実」がある。 中国では各地でロケットの残骸が落下する事案が相次いでいる。西側諸国とは異なり、中国のロケット燃料には有害物資が含まれており、多くの国民の安全が脅かされているのが実情だ。
汚れたままの「列車のシート」
中国政府は鉄道の分野でも先進性をアピールしようとしている。 中国の国有鉄道企業「中国国家鉄路集団(国鉄集団)」は5月末「世界で初めて水素だけで走る列車の運行に成功した」ことを明らかにした。試験走行が実施されたのは吉林省長春市、最高時速は160kmに達したという。 技術の高さを誇る国鉄集団だが、経営は火の車だ。 主要路線のほとんどが赤字で、建設後に運用されていない駅も少なくない。このため、6月から過去最大の運賃値上げ(最大で40%近く)に追い込まれている。 「貧すれば鈍する」ではないが、国鉄集団のサービスへの不満が高まっている。 槍玉に挙がっているのは座席のシートカバーだ。「汚れていたのに乗務員は取り替えてくれなかった」などのネット上の批判に対し、国鉄集団が「シートカバーの交換時期は決まっていない」などと釈明すると、「交換のサイクルが決まっていないこと自体が問題だ」とさらに非難が高まる始末だ。
少子化が「最悪の水準」に突入
自国の科学技術の進歩を喧伝しても、国民の生活が安定・向上しなければ、政府の求心力が高まることはないだろう。 しかし、どこをとっても中国の国民生活が安定にむかう指標はない。そればかりか、若者の就労が最悪の状況にある中、極度の少子化が進んでいる。 中国の過度な人口減少が懸念されるなかで、日本に押し寄せてくる難民について筆者は一抹の不安を抱いている。 その内容については後編「中国・上海の出生率が東京よりもひどい「0.6」になっていた…! 中国で急激に進む「人口減少社会」に習近平が放った「ヤバすぎる一言」」で詳しくお伝えしよう。
藤 和彦(経済産業研究所コンサルティングフェロー)