湯せん・レンチンできるポリ袋「アイラップ」活用方法を紹介!
「ポリ袋」と聞くと、スーパーのサッカー台(商品を袋詰めする台)に設置された、食品を入れるロール袋をイメージする人も多いと思います。食品の保存や小分けのほか、小物を汚れや水ぬれから保護する、外出時のゴミ袋として携帯するなど、さまざまな使い道があるので、自宅にも常備しておくと何かと便利です。 【画像】1976年に登場した箱入りのポリ袋 そんなポリ袋の中でも特に多用途で人気なのが、岩谷マテリアルの「アイラップ」です。食品の冷凍・冷蔵保存に加えて、電子レンジや熱湯での加熱が可能なため、調理道具としても活用できる優れモノ。さらに、調理のほかにも意外な使い道があるのをご存じですか? メーカーに聞いた話もふまえながら、アイラップの基本的な使い方から活用方法のアイデアまで、詳しく紹介します。 ■ 食品の保存だけじゃない! アイラップは調理にも使えて便利 三角ボックスのレトロなデザインでおなじみ、岩谷マテリアルの「アイラップ」は、食品用のポリエチレン製の袋です(※ちなみにスーパーのロール袋は食品用ポリ袋ではなく、“包装資材”に分類されます)。今から約半世紀前、1976年に登場した箱入りのポリ袋で、発売以来多くの人に愛用され続けている歴史があります。 ユニークな三角パッケージは、中のポリ袋を取り出しやすいのが美点。最後の1枚まで、片手で簡単に取り出せます。 アイラップは耐熱性・耐冷性に優れており、メーカーによると「発売当初から湯せんや電子レンジによる食品の温めや、冷蔵・冷凍保存が可能」とのこと。防湿性にも優れていて、食品の鮮度をキープするのにも役立ちます。 じつは、市販のポリ袋やジッパー付き保存袋の多くは、冷蔵・冷凍保存に使えても、電子レンジ加熱や湯せんには対応していません。その点、アイラップはそれらすべてに対応しています。 非耐熱性のポリ袋をうっかり電子レンジで加熱して、溶かしてしまった経験がある人もいるのではないでしょうか。一方、アイラップであれば、袋に食品を投入し、そのままレンチンあるいは湯せんできるから便利です。 アイラップのこの特徴を活かせば、サンドイッチ用の「たまごフィリング」も電子レンジで手軽に作れます。 アイラップに卵2個を割り入れ、フォークや爪楊枝などを使って黄身に穴をあけ、耐熱皿にのせて電子レンジでチンするだけ。600Wで1分半が目安ですが、卵の固まり具合を見ながら、必要に応じて追加で加熱するといいですよ。 筆者が試した際に、途中で卵がはじける音がしましたが、袋に入っていたため中身が飛び散ることはなく、庫内を汚さずに済みました。 卵に火が通ったら、塩、コショウ、マヨネーズを適量加えて、袋のまま手でつぶしながら混ぜればOK。 サンドイッチのたまごフィリングとして使う場合は、袋の端を切って、パンの上に絞り出せば、ほかの道具を使う必要がありません。もちろん、たまごサラダとしてもそのままおいしく食べられますよ。 時短かつ手間なく作れるので、忙しい時に助かります。洗い物の量をグッと減らせるのもうれしいポイントです。 アイラップを使うと、ごはんを炊くことも可能です。 その際は、袋の中にといだお米(または無洗米)と水(お米1に対し、水は1.2の割合)を入れ、20~30分浸水させておきます。鍋で水を沸騰させ、浸水させたお米を袋のまま投入し、中火で30分ほどボイルすれば完成です。カセットガスコンロでも炊飯できるので、アウトドアシーンや非常時にも役立ちますよ。 お米をボイルする際の注意点が2点ほど。1つ目は、袋が鍋肌に触れないようにすることです。筆者が試したときは、鍋底に耐熱皿を置き、その上にお米の入った袋をのせました。 商品のパッケージにも、鍋肌に触れないようにとの注意書きがあります。耐熱性に優れているものの、高温の鍋に触れることで溶ける、変形するなどの可能性もあるため、万が一のことを考えて、耐熱皿を併用すると安心です。 2つ目は、袋の中の空気をしっかり抜いておくこと。空気抜きが甘いと、加熱によって中の空気が膨張し、袋がふくらんで鍋の中で浮いてしまうため、十分に加熱できません。そこで、メーカーにうまく空気抜きをするコツを聞きました。 「袋全体を水に沈めるようにすると食材とピタッと密着して空気が抜きやすくなります。また、袋の空気を抜いたらねじり上げるようにして上のほうで結んでください。食材とギリギリで結ぶと膨らんだ際に破裂する危険性があるため、ねじった場所を空気の逃げ道にする意味もあります」とのこと。 この内容を参考に、しっかり空気を抜いてからボイルしたところ、鍋の中で袋が浮くことなく、芯まで火が通ったごはんが炊けました。 肝心の味の方はというと、やはり炊飯器で炊いたごはんの方がおいしいと感じますが、キャンプや災害時に食べるなら十分なのではないかと思いました。 アイラップ&ボイル調理でごはんを炊けることを知っていれば、停電で炊飯器が使えないときにも役立ちますね。 【#拡散希望RTお願いします】 温かい食事は心を落ち着かせます。#アイラップ での炊飯方法をご紹介☝️#アイラップ炊飯 の お米と水の割合は『 1:1.2 』 今回は無洗米を使用し、 お米は20分ほど浸水しておきます。 (お米は研がなくても食べられます)#地震 #停電 #防災 #非常食 pic.twitter.com/D7IFiKoSna ― アイラップ【公式】 (@i_wrap_official) January 1, 2024 ■ 調理以外のアイラップの活用方法を紹介! 災害時にも活躍 アイラップは調理以外にもさまざまな使い道があります。氷のうや手袋に代用するほか、アイデア次第でマルチに活用できるのが魅力です。 実際に手にアイラップをかぶせて輪ゴムで留め、洗い物をしてみたところ、手が動かしにくいといったこともなく、想像以上にスムーズに作業できました。手を濡らしたり、汚したりするのを避けたいときに、簡易手袋として使えるのは便利だと思いました。 災害時やアウトドアなどで水があまり使えないときに、食器に食品包装用ラップフィルムをかけ、汚さないようにして洗い物を減らすアイデアが知られています。このとき、ラップフィルムの代わりにアイラップを使うと、さらに便利です。 お皿にサッとかぶせられる上、袋を裏返しながら外せば、残った食品をスムーズに袋に入れられます。マチも付いているので、食品を包みやすいですよ。 ラップフィルムと同様の使い方ができるので、三角パッケージに書かれているとおり、まさに“袋のラップ”だと思いました。 そのほかに、東北や北陸などの雪が多い地域では、雪かきをするときに長靴の中にアイラップを履いて、足冷え対策をするという使い方もあるのだとか。筆者も寒冷地に居住しているので、今後雪かきをするときにぜひ試したいと思っています。 ■ 専用ホルダーを併用すると、さらに便利に使える! アイラップを使うと野菜の下茹でも簡単かつ時短でできます。カットしたジャガイモをアイラップに入れて電子レンジで加熱すれば、あとはたまごサラダを作るときと同様の手順で、袋1つでポテトサラダを作ることが可能です。 お好みでキュウリやハムなどの具材を加えると、よりおいしく食べられますよ。 【7分で作れる ポテトサラダ】 ① #アイラップ に切ったジャガイモを 2個分入れ、電子レンジでチン。 (600Wで5分を目安※) ② 塩•コショウ•マヨネーズを適量入れ、 つぶしながら混ぜて完成。 (※硬い場合+30秒ずつ加熱し様子見で)#ポテトサラダ #ブクマ推奨☝️ pic.twitter.com/NvehYAHTRk ― アイラップ【公式】 (@i_wrap_official) December 30, 2023 アイラップを使って野菜を電子レンジで下茹でする際に、同メーカーが手がける専用ホルダー、その名も「アイラップホルダー」を併用すると、さらに使い勝手が向上します。 アイラップホルダーを使うと、アイラップを自立させられる上、そのまま電子レンジで加熱できます。ただし、ホルダーは底のない筒型のため、レンチンする際は受け皿が必要です。 アイラップホルダーは、レンチンしたばかりの熱々のジャガイモをつぶすときにも活躍。アイラップに入ったジャガイモをそのままホルダーの上下で挟むように押すと、簡単につぶせます。熱々のジャガイモが入った袋に手が直接触れないので、やけどのリスクも減らせますよ。 アイラップホルダーは、普段からアイラップを使って野菜を下茹でしている人にぜひおすすめしたいアイテムです。 ■ アイラップを使用する際の注意点 さまざまな用途に使えるアイラップですが、使用にあたっては注意点も。メーカーに使えないシーンや使用上の注意点などをたずねました。 「アイラップはよく『万能』と紹介していただいておりますが、『万能』ではありません。基本的には、パッケージに記載されている使い方となります。したがって、使えないシーンを挙げるとキリがないですが、特に『炊飯器で袋と一緒にごはんを炊く』行為は危険です。蒸気口をふさいでしまい、蓋が飛ぶなどの事例が報告されておりますので、注意喚起しております」とのこと。 事故防止のためにも、くれぐれも危険な使い方は避けましょうね。 また、丈夫なつくりで、何度も使用できそうに見えるアイラップですが、繰り返し使える仕様にはなっていないといいます。一度使用したアイラップは、ゴミ入れとして活用するのがよさそうです。 普段使いからアウトドア、さらには災害時まで幅広いシーンで活用できるアイラップは、本記事で紹介した使い方以外にも、アイデア次第でまだまだ便利に使えるでしょう。やはり常備しておいて損はないと強く思いました。
家電 Watch,野本 美樹