「花火の都」の熱い夜祭り メキシコのトゥルテペック
トゥルテペック、メキシコ、3月11日 (AP) ― メキシコの首都メキシコシティ郊外のトゥルテペックで3月8日、紙粘土で作られた巨大な張り子の雄牛に飾られた花火に点火して、数千人の市民がその周りで踊る夜祭りが開かれた。 今年はこれまでとは異なり、夜間の牛のライトアップは市内の路上ではなく、近くの野原で行われた。 野原に詰めかけた祭りの群衆は、スペインの「牛追い祭り」のように、花火を爆発させる"火を噴く怒った雄牛"から逃げ回る。 やがて祭りが最高潮に達すると、花火が打ち上げられる爆発音に合わせて、若者を中心に降り注ぐ火花の中を走り回り、口々に「ファイヤー!ファイヤー!」と叫び続ける。 今年で35回目を迎えるこの祭典は、貧しい人や病人の守護聖人である聖ヨハネに敬意を表し、毎年3月8日に感謝の気持ちを表す習わしとなっている。 トゥルテペックは、鉄砲火薬の原料として塩硝が豊富に産出されたことで、植民地時代にメキシコで最初に火薬が生産された場所のひとつであり、今日この町は「花火の都」として知れ渡っている。 しかし2018年、花火工場で起きた大規模な爆発事故で25人が死亡し、その2倍の負傷者が出た。花火祭りは花火職人の技術を継承し、町に人を呼び込むための方法でもある。 (日本語翻訳・編集 アフロ)