「想定外なのが災害」 三重・松阪 住自協の防災リーダー52人が学ぶ
地区防災計画策定セミナーで三重大・川口教授らが講義
三重県の松阪市は12日午後1時半から嬉野町の嬉野地域振興局で、市内各地の住民自治協議会の防災リーダーらを対象にした地区防災計画策定セミナーを開催した。52人が講演を通して改めて過去の災害に学び、地区に合わせた防災計画の策定方法について理解を深めた。 市は南海トラフ巨大地震をはじめ、さまざまな自然災害に備えて2018(平成30)年度から住民主体の地域防災計画の策定を支援。各地区の提案は市の防災会議で発表され、随時、地域防災計画に位置付ける。これまでに大河内、西黒部、鵲、港、茅広江、大石、宮前の7地区が策定し、同セミナーは残る全地区の策定と、7地区については計画の見直しを目的に開いた。 この日は全43住自協のうち29の代表者らが参加。前半は三重大学大学院工学研究科の川口淳教授から「地区防災計画とは?~能登半島地震から見えたもの~」をテーマに、後半は、同大地域イノベーション学研究科の水木千春准教授による「被災地における避難所運営」についての講演が行われた。 川口教授は「想定通りでないのが災害。イメージを豊富にして、臨機応変に対応する能力が求められる」と指摘。「計画は地域特性を考慮したものでないといけない。策定して終わりではなく、継続して(見直しを)実施してほしい」と呼び掛けた。 能登半島地震の被害状況も示しながら「危険を回避するために自分ならどうするか、それを考えることがスタートになる。高望みせず、できることから始めてほしい。そして、そのことを近所に話してほしい。意見交換することで地区全体の防災レベルが上がる」と続け「生き残るために何が必要か」と常に考えることは重要と強調した。