【旬食材】春のにんじんは何が違う?栄養を逃さず食べる3つのコツを野菜ソムリエが解説
にんじんの本来の旬は秋~初冬ですが、現在では春に収穫期が来るように工夫されたものが出回っています。 「春にんじん」と呼ばれ、徳島県や千葉県など温暖な地域を中心に生産されていて3月~5月にかけて全国に出荷されますが、通常のにんじんと圧倒的に違ううれしい特徴があるのをご存じでしょうか。 また、食べるときにも、「春にんじん」ならではのコツがあるのです。 【画像】【旬食材】春のにんじんは何が違う?栄養を逃さず食べる3つのコツを野菜ソムリエが解説 今回は、野菜ソムリエ・気象予報士・防災士の資格を持つ植松愛実さんが、「春にんじん」の栄養をおいしく最大限いただくための3つのコツを解説します。
かつてはむずかしかった「春にんじん」
秋冬に旬を迎えるにんじんは、春に種をまいて半年かけて育てたもの。 それなら、秋に種まきをすれば半年後の春に収穫できるのでは? と思われるかもしれませんが、そう簡単にはいかないのです。 というのも、秋に種をまくと冬に成長期を迎えることになりますが、寒い時期にしっかり成長できるようなにんじんは芯の部分が固くなりすぎて、おいしくないのです。 そのため、かつては春に出荷されるにんじんは春に収穫されたものではなく、秋冬に収穫されて春まで貯蔵されたものでした。 そこで、「トンネルハウス」と言って農業用ハウスのミニチュアみたいな低いトンネルをつくってにんじんを雨や低温から守ったり、温度や水分をこまめに調整したりして、工夫を重ねて誕生したのが「春にんじん」。 こういった技術と工夫、手間によって、秋冬のにんじんにはない甘さとやわらかさ、そしてみずみすしさを持った「春にんじん」を私たちは食べることができるのです。
【コツ1】生で食べよう!
春にんじんの特徴は、とにかく甘くてやわらかいこと。 とても食べやすいので、ふだんは「生のにんじんはちょっと…」という人でも、ぜひ生で食べてみてください。 ジュースやにんじんスティックもおいしいですし、通常はゆでてからナムルやゴマ和えにするのをスライサーで千切りにして生のまま和えるのもおすすめです。 ゆでる際に失われやすいビタミンCなどの栄養素も、生なら逃さず食べることができます。