ヘンリー王子と“がん公表”チャールズ国王の対面は「30分」 滞在25時間の短すぎる緊急帰国を巡って賛否の声が沸騰
感情的だが悪気のない息子
次は否定的な見方をみてみよう。王室記者のロバート・ジョブソン氏は英紙「デイリー・メール」への寄稿で、チャールズ国王がこの帰国に「感動した」のはおそらく事実としつつも、自身が耳にした現実は「もっと複雑で、より憂慮すべきものだった」と綴った。 息子の到着を待つため、チャールズ国王がサンドリンガム領への移動時刻を遅らせたことは複数のメディアが報じている。だがジョブソン氏の主張によると、この時のチャールズ国王には「感情的だが悪気のない息子」に既成事実を作られたような状況への不満もあったという。 ストレートに批判しているのは、有名伝記作家でメーガン妃に関する著作も持つトム・バウワー氏である。「デイリー・メール」のYouTubeチャンネルに出演したバウワー氏は一時帰国自体が理解できないようで「ロンドンへの着陸を許可され、その後にクラレンス・ハウスまで特別の護衛がついたことを本当に腹立たしく思っている」と述べた。 また「実際のところ、君主制はヘンリー王子夫妻を私たちの階層から消し去ることにかかっている。彼らの継続は私たちにとって悪いことだからだ」とも訴えた。 ヘンリー王子の伝記本を執筆し、近年はメーガン妃批判で知られる王室作家のアンジェラ・レヴィン氏も、「ザ・サン」に辛口コメントを寄せている。「ハリーは信用できない」と断じ、「ハリーは頻繁にやってくるかもしれない。彼の渡航はメーガン妃が管理者であることを忘れないでほしい。彼女の心の中では、渡航が彼らの人気を高める可能性があるからだ」と言い切った。
ウィリアム皇太子との和解はやはり困難か
「今回の一時帰国はパフォーマンスなのか?」という疑問は英国民の間にも存在する。「デイリー・メール」の電子版「メール・オンライン」のコメント欄には、「もうすぐ新しい本が出るのを期待」「彼らにとって今一番必要な行動は、ハリーと彼の秘密のテープレコーダーの訪問であることは間違いない」といった投稿もある。 ヘンリー王子とメーガン妃によるストレスががんの原因とする声もあるようだが、テレビ番組で同様の意見を述べた著名人は「さすがに言いすぎ」「根拠がなさすぎる」と批判の的になっている。 バッキンガム宮殿の声明には「憶測を避け、国民の理解に役立つことを期待し、陛下は診断結果の公表を選択した」とあるが、がんの具体的な部位は明かしていない。チャールズ国王の元広報官クリスティーナ・キリアク氏は英民放ITVの朝番組で「私個人としては、踏み込んでがんの種類を公表することは勧めなかっただろう」と述べた。提供する情報が多ければ多いほど、人々はそれについて調べ、推測合戦を始めるからだという。 現時点での追加情報は、リシ・スナク英首相がSNSに投稿した「早期発見だった」という事実のみである。また、チャールズ国王は治療中もオフィスワークを中心に国家元首の仕事を継続する予定だ。早速7日には公式声明を発表し、英国からの独立50周年を迎えたグレナダに祝意を示した。 父のがん公表、妻の手術と激しい波に襲われているウィリアム皇太子は、ヘンリー王子が米国へ戻った7日に公務を再開した。公の場で父と妻を気遣うメッセージについて感謝を述べた一方で、ヘンリー王子と会わなかったことは確定している。「ザ・サン」の王室担当編集者のマット・ウィルキンソン氏と王室専門誌「マジェスティ」編集長のイングリッド・スワード氏は、ヘンリー王子から謝罪の意や良心の呵責が示されなかったことが原因だと指摘した。 ヘンリー王子とチャールズ国王の和解はあり得ても、ウィリアム皇太子とはやはり難しいという見方が現在の大勢のようだ。 デイリー新潮編集部
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