校内栽培の綿花からクッションできた 特産化へ岡山・興陽高、CFで販売費用募る
興陽高(岡山市南区藤田)の生徒が、かつて岡山県内で盛んだった綿花栽培に取り組み、クッションを製造するプロジェクトを進めている。無農薬で育て、安心安全な綿花として特産化を目指す試み。来年1月に東京の県アンテナショップなどで販売を予定し、旅費などをクラウドファンディング(CF)で募っている。 産業教育の一環で、農業、農業機械、被服デザインの3科の計128人が携わっている。江戸期以降、県南部の岡山平野を広げるために造られた干拓地では塩分に強い綿花が盛んに栽培され、繊維産業が発展。「岡山の歴史に根ざし、地元のPRにもつながる素材」として着目した。 岡山桃太郎空港(岡山市)で綿花を育てていた官民組織「空路利用を促進する会」から種を譲り受け、2023年5月から校内の畑で栽培をスタート。無農薬は生徒が発案した。「葉に虫が付きやすく手入れが大変」だが、乳幼児や肌の弱い人にも安心して使ってもらうためのこだわりだという。クッションは縦横各40センチでピンク、緑、白の3色のカバーを用意する。 来年1月に県アンテナショップ「とっとり・おかやま新橋館」(東京)と羽田空港で100個(1個3300円)を販売予定。被服デザイン科3年中島遙花さん(18)は「とてもやわらかく、抱きしめると心が落ち着く」とアピールし、農業機械科3年今井煌成さん(18)は「岡山の綿花が注目されるきっかけになるよう、東京で存分に魅力を伝えたい」と意気込む。 CFは山陽新聞社や中国銀行が運営する「晴れ!フレ!岡山」のサービスを利用し、11月4日まで募る。目標額は60万円。返礼品はクッションや生徒が育てた新米など。 詳細や支援は専用サイト(https://readyfor.jp/projects/146876)。