民進党の細野豪志氏が離党表明会見(全文1)裸一貫、1人で立ち上がる決意
新党が掲げるべき理念
今もこの思いは私の中でまったく変わりません。すなわち政権交代可能な二大政党制がこの国に必要であり、そのために自分がどう行動すべきか、ということを考えました。特に今の政治状況というのは安倍政権による1強多弱、明らか政権のおごりが見て取れます。そしてこの政権のおごりというのは1つの大きな理由として、安倍政権を脅かし、政権を獲得をする、そう考えられる政党が存在しないことが原因であると私は考えています。そこで私は政治を志したときの原点に立ち返って新しい政権政党をつくるために、まずは裸一貫、1人で立ち上がる決意をいたしました。 私は新党が掲げるべき理念は、5つあるというふうに考えています。まず第1に納税者、働く者の立場に立ち、多様性を大切にする内政です。この考え方はこれまで民進党が培ってきた理念と極めて一致をするところがございます。私はそれに加えて特にこれからの時代、必要なのは人生前半の社会保障の充実だというふうに思っています。特に幼児教育の無償化を含めた子育て、教育の格差に取り組むことは喫緊の課題です。そしてそれを実現するためには、これまで必ずしも民進党としてお願いすることができなかった、資産を持っておられる高齢者の皆さんにご協力いただくことも含めて、内政の政策づくりをしていく必要があると考えています。 そして2点目は現実的な外交、安全保障政策です。北朝鮮の脅威はもはや指摘するまでもなく国民の間で共有をされています。こうした現実的な脅威に対応できる政党でなければ政権を取る資格はありませんし、またそうした政党は政権を取るべきですらないと私は思います。 そして3点目。立憲主義に基づいた憲法改正案の提案です。特にこの国の在り方ということを考えたときに、憲法8章による地方自治の確立は急務であると私は考えます。これまでの議論を聞いておりますと、自民党、与党の間でこの憲法8章の議論が進んでいないことは、私は非常にこれは問題があるというふうに思っておりますので、その部分で具体的な提案をできるような政党をつくっていく必要があると考えます。 そして第4点目といたしまして、第4次産業革命に適応した経済、社会保障政策を確立していく必要があると思います。やはりAIの登場というのは産業の在り方を大きく変えます。当然、人々の働き方や所得にも大きな影響を及ぼすでしょう。まだこうした経済、社会の状況の大きな変化に対応できるような政策を自民党も、そして民進党も作ることができていないというふうに思っています。その部分での対応が、明確になし得るような政策作りをしていきたいというふうに思います。 そして最後に情報公開による透明性の高い政治の実現です。私は原発事故の経験をいたしまして、当時、補佐官、そしてその後、担当大臣として役割を担うことになりました。その中でどんなに長時間かかったとしても、しっかりと記者会見で最後まで皆さんの質問に答えることによって、政府としての情報公開を徹底すべきだというのを、本当に当事者として、非常にこれを重要だというふうに考えてまいりましたし、その重要性を痛感してまいりました。そして今の安倍政権を見ていて、根本的にこの情報公開に対する姿勢が欠けているというふうに思います。 新党というのは政策・理念の一致なくして意味をなしません。いわんや選挙互助会のような形で、党ができることは国民のためにまったくなりません。これまでの政党のさまざまな反省もふまえて、まずは明確な理念を、政策を掲げて、そしてできる限りその旗の下に多くの同志が募るというのが望ましいと私は考えています。 これまでこうした理念や政策について、私が議論をしてきた国政における同志、さらには地方政界における同志。少なからず存在をしています。私は自ら立ち上がることを決断いたしました。おそらく新党が設立をされるまでには野党の再編というのも必要だし、また不可避であるというふうにも考えています。こうした政治状況を鑑みて、志を同じくする同志が必ずや立ち上がってくれるはずだと、こんな思いでまずはそれを待ちたいというふうに思っています。冒頭の発言は以上です。 【連載】民進党の細野豪志氏が離党表明会見 全文2へ続く