《ブラジル》ウチナープレス創刊25周年=沖縄系共同体に不可欠なポルトガル語新聞=県知事や宮沢和史からも祝辞
続いてウチナープレスからの功労賞が故上原武雄氏、故花城ジョルジ氏、故大城竹友氏の遺族に授与され、感謝状が壇上の37人に渡された。授与者を代表して与儀昭雄(あけお)氏は「創刊前は本部と支部の連絡が難しかった。ウチナープレスのおかげでそれが円滑になった。琉球民謡も何を唄っているのか分からなかったが、ポ語で解説記事を出してくれ、僕らも理解できるようになった」と役割の重要さを強調した。 その後、演芸プログラムとなり同紙で紹介された記事が大画面に移され、その要約がアナウンスされた後、各芸能団体が舞台に立ち全15団体が演じた。途中、斉藤悟氏がこの日のために創作した琉球舞踊「御果報」が演じられ、同紙のヴァネッサさんも感謝の言葉を書いた垂れ幕を手に持って2カ月間特訓した舞を初披露した。 幕間には当地および日本からのメッセージ動画も映し出され、中には「島唄」で有名な宮沢和史や歌手の夏川りみ、ジアマンテスのアルベルト城間、大城ヴァネッサら沖縄関係の芸能人の祝辞も映された。
本紙取材に対してヴァネッサさんは「支部の催事や沖縄本土のニュースがなかなか手に入らない時代で、コミュニティ向けの新聞が欲しいという要望を聞き、夫が地域の新聞社に勤めていた経験があったので、私が20歳、夫が30歳の時に創刊しました。結婚した翌年でした。それから25年経ち、その間いろいろ教えていただいた先生方の多くがお亡くなりになりました。紙面に先生方の記録が残せたことがせめてもの慰めです」と先人や協力者の皆さんに感謝した。タブロイド判で24~30頁、特集号だと更に増頁。現在の発行部数は3500部。 山城勇元県人会会長は「とてもありがたい新聞。おそらくコミュニティ向けの新聞は世界でもブラジルだけでは」とその価値を強調した。 琉球大学の町田宗博名誉教授によれば、世界において沖縄系コミュニティに的を絞った新聞はウチナープレスだけとのこと。「創刊25周年の写真をSNSでみせてもらいましたが、祝賀会の参加者数に圧倒されました。ウチナープレスが沖縄系コミュニティのシンボルの一つになったかと思います」と述べた。