阪神、掛布2軍も金本サポートでスリム化変革!
阪神の掛布雅之2軍監督(61)が率いるファームは、ここから後半戦に向けてのチーム戦略を超変革させることが1日、明らかになった。前日に甲子園で行われた金本監督、掛布2軍監督の「超変革会談」には、四藤社長も同席。フロントも交えて、ここから先のチーム戦略を確認したもので、掛布2軍は、1軍で戦力となる選手に絞り込んだ“スリム化戦略”がとられることになった。 掛布2軍監督は、かねてから「2軍は1軍にいかに戦力を送りこめるか、いかに金本監督をサポートできるかが仕事」と語っていたが、ここまでは育成と戦力の把握に重きをおき、どの選手にも広くチャンスを与えてきた。だが2軍も残り60試合をきり、一軍の戦いも正念場を迎えることもあって、ここから先は1軍のチーム戦力となる選手の起用に重点を置いて、2軍の戦いを進めていく方向性が金本監督、掛布2軍監督の両者で確認された。これまでの阪神で、ここまでフロント、1、2軍の首脳陣が、一体になって戦い方のビジョンを確認するのは、見られなかった作業である。 特に2軍で調整中のヘイグ、ペレスの2人の外国人選手の扱いをどうするかも焦点のひとつだったが、ゴメスのバッティングの状態やチーム状況に応じては、2人が再度1軍で必要になってくるケースが考えられるため、今後もチーム戦力として考えた上で、2軍での再生、調整作業が進められるという。 野手については、金本ー掛布のホットラインを通じて、1、2軍を多くの若手が行き来してきて、それなりの経験が積まれてきたが、問題は投手陣。先発、中継ぎ共に苦しくなる夏場を乗り切るためにも、1軍で戦うことを見据えた上での2軍での投手陣の整備が急務となる。 今季は3年目の岩貞祐太(24)がブレイク、ルーキーの青柳晃洋(22)が戦力になっているが、台頭しかけた横山雄哉(22)、石崎剛(25)らが故障でペースダウン(石崎は150キロを出すなど復活の兆し)。2年目の守屋功輝(22)も先発抜擢のチャンスをもらったが、1軍定着はできていない。 その中で最重要投手として名前が挙がっているのは、左腕の岩田稔(32)の復活と、ドラフト4位のルーキー、望月惇志(18)の起用法だ。岩田は開幕からローテーションに入ったが、4試合に投げ0勝3敗、防御率7.11で4月下旬に2軍落ちすると、2軍でも結果が出せず、ミニキャンプを張りゼロからつくり直している最中。また横浜創志学園出身の望月に関しては、2軍首脳陣の評価はうなぎ上りだが、高卒でまだ体がしっかりとできていないため、無理をさせて潰してしまうことを懸念。1軍デビュー機会は、慎重に検討されている。彼らの2軍での調整が、金本阪神の今後に影響を及ぼすことは間違いない。 2軍のスリム化戦略が、借金「7」の5位と苦しんでいる1軍の反撃にどんな影響を与え、どうバックアップしていくのか? フロント、金本、掛布2軍監督と、チームが一体となって、ひとつの方向性を模索していることに大きな期待が寄せられている。 (文責・本郷陽一/論スポ、スポーツタイムズ通信社)