悪夢の大転落…。どん底に沈む名門クラブ5選。黒星先行の世界屈指の強豪、未勝利で最下位に低迷するのは…
常にチームの強さを維持することは容易ではない。ほんの数シーズン前までタイトル争いに絡んでいた名門クラブでも時には失速する。今回は、今季さまざまな要因があってどん底に沈む名門クラブを紹介する(リーグ順位、成績は2023年11月9日現在)。
リヨン(フランス) リーグ順位:18位 今季リーグ成績:0勝4分6敗 11月9日時点で、今季の欧州5大リーグで未勝利のチームは3つしかない。不名誉にも、リヨンがその一つに名を連ねてしまった。同クラブは21世紀前半に黄金期を迎え、リーグ・アン7連覇を達成した名門として知られている。 今夏の補強戦略の失敗が、昨季7位のチームが最下位に低迷している理由の一つだろう。かねてより財政難に苦しめられてきたリヨンは今夏にブラッドリー・バルコラやカステロ・ルケバ、フセム・アワール、チアゴ・メンデス、ムサ・デンベレらを放出。中には契約満了の選手もいたが、彼らの移籍金で1億700万ユーロ(約149億円)の売り上げを得た。 主力選手の多くを放出した一方で、お金をあまり使えないことから1900万ユーロ(約26.6億円)規模の補強しかできなかった。エインズリー・メイトランド=ナイルズやドゥイェ・チャレタ=ツァルら知名度のある選手たちも結果を出せておらず、戦力となっているのはクラブ・ブルージュから加入したクリントン・マタだけというのが現状だ。 主力の相次ぐ退団と、それに見合った補強ができなければ低迷するのが必然だ。9月にローラン・ブランを解任し、クラブOBでもあるファビオ・グロッソを新監督に招聘したが、それでも浮上の兆しは見えない。10節終了時点で4分6敗の最下位に沈んでいる。
マンチェスター・ユナイテッド(イングランド) リーグ順位:8位 今季リーグ成績:6勝0分5敗 エリック・テン・ハフ監督のもとで、プレミアリーグのタイトル奪還を狙っていたマンチェスター・ユナイテッドが、開幕前の予想に反して苦戦を強いられた。今季の公式戦の結果を見ると、8勝9敗で黒星が先行している。 低迷の理由は揃わないスカッドの影響だと言える。特に怪我人は深刻で、開幕直後に左SBのルーク・ショーとタイレル・マラシアが離脱。その穴を埋めるべくセルヒオ・レギロンを緊急補強したが、同選手も怪我を負ってしまった。彼らに加えてディフェンスリーダーのリサンドロ・マルティネスも長期離脱中と、特に最終ラインの人選が苦しい。 怪我以外での離脱者も多く、ジェイドン・サンチョはクラブの規律違反でトップチームから離れており、アントニーもDV疑惑が報じられたことでメンバーから外れた試合もあった。 これらの影響もあって、プレミアリーグではすでに5敗を喫しており、そのうち3敗がオールド・トラッフォードでの試合だ。昨季はわずか1敗のみだったホームでこれだけ試合に敗れることは異例の事態だと言える。またUEFAチャンピオンズリーグ(CL)では、グループステージ4節終了時点で1勝3敗の最下位に沈んでいる。低迷の理由が選手の離脱にあるため、たとえ監督交代を行ったとしても浮上の兆しが見えるとは限らないのが現実だ。