韓国オプティカル解雇問題、OECD韓国連絡事務所の判断あおぐ
金属労組、2日に陳情へ
韓国オプティカルハイテックの集団解雇が、経済協力開発機構(OECD)の責任ある企業行動に関する多国籍企業ガイドラインに違反しているかどうかが判断されることになった。 全国民主労働組合総連盟(民主労総)と全国金属労働組合は、韓国オプティカルハイテック(韓国オプティカル)の親会社である日本の日東電工と、韓国オプティカルからLCD用偏光フィルムの納品を受けるLGディスプレイが、企業に責任経営義務を課した「OECD責任ある企業行動に関する多国籍企業ガイドライン」に違反したとして、2日にOECDの韓国連絡窓口(NCP)に陳情を行うことを1日に明らかにした。NCPは、OECDが採択した多国籍企業ガイドラインが履行されているかを判断し、紛争を解決するために、加盟国政府が自主的に設置した機関。 金属労組は、韓国オプティカルが昨年2月に17人を集団解雇する過程で、労働者に対する情報提供および協力の義務と人権実態調査義務を規定したOECD多国籍企業ガイドラインを守らなかったとしている。ガイドラインは「(企業は)雇用機会の創出と従業員のための訓練機会の提供により、人的資本の形成を促す」べきと規定している。また、雇用などについてリスクベースの実態調査をおこなって負の影響を特定し、これらの負の影響にどのように対処するかについて明らかにすることを企業に求めている。 NCPは陳情を受けた後、事件について調査を行い、陳情内容が認められれば当該企業に勧告が行えるが、勧告には企業を従わせる拘束力はない。ただ、このような陳情の経験が豊富なキム・ドンヒョン弁護士(公益人権弁護士会「希望をつくる法律」)は、「OECDのガイドラインは企業の人権尊重責任を規定する、国際社会で認められた代表的な基準であり、企業がガイドライン違反で提訴されたことそのものが、国際社会での評判に影響を及ぼす」とし、「NCPが対象企業のガイドライン違反を前提に対象企業に勧告を行えば、外国の主要な年金基金、責任投資機関、グローバル企業が注目するため、企業は法的拘束力がないとの理由で無視することは難しくなる」と語った。 日東電工の完全子会社である韓国オプティカルは2022年、亀尾(クミ)工場が火災で全焼し、その後、193人を希望退職のかたちで辞めさせ、それを拒否した17人を整理解雇した。解雇者たちは、日東電工が法人清算に入った韓国オプティカルの製品を別の子会社である日東オプティカル平沢(ピョンテク)工場が生産していることを指摘しつつ、雇用の継承を求めてきた。今年7月には国会環境労働委員会に所属する共に民主党のキム・ジュヨン、イ・ヨンウ両議員、進歩党のユン・ジョンオ議員が東京の衆議院を訪ね、日東電工に17人の労働者の雇用継承を迫るよう、日本の政府と国会に求めている。今年1月8日に亀尾工場の屋上で開始された2人の解雇者による座り込みは、1日に267日目を迎えた。 今回の陳情を準備した金属労組のタク・ソンホ弁護士は、「今月中に日本の連絡窓口にも日東電工などを訴える陳情を行う計画」であることを明かした。 チョン・ジョンフィ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )