いろいろな植物を吊り鉢で楽しみたい!でも種類によっては注意が必要
吊り鉢を使ってグリーンを飾るのは、インドア栽培ならではの楽しみ方。でも、長く伸ばした茎や葉が傷んだり、折れたりしたことはありませんか? 吊り鉢での栽培には、気をつけるポイントがあるんです! 熱帯植物栽培家の杉山拓巳さんに教えていただきました。『趣味の園芸』9月号掲載「インドア栽培 AtoZ」第6回より、一部抜粋してお届けします。 観葉植物のある暮らしの写真
着生タイプから始めてみよう
吊り鉢の魅力は、空間を立体的に使ってグリーンを飾れること。上から長い茎や葉が垂れ下がり、空気の動きに合わせて揺れる姿は涼しげで、室内に癒やしをもたらしてくれます。 いろいろな植物を吊り鉢で楽しみたいですが、種類によっては注意が必要。なぜなら、吊り鉢の環境は乾燥しやすく、洗濯物を干しているのと同じ状況なので、風が抜けて乾きやすいのです。床置きより「明るい」環境であることも忘れずに。 吊り鉢スタイルで売られていることの多い植物のなかで、意外と手がかかるのは、トラデスカンチアとマランタ。乾かしすぎると元気がなくなり、葉が傷んだり、落ちたりします。 それもそのはず、じつはトラデスカンチアもマランタも「地生タイプ」。原生地では林の中の暗めで湿度の高い地表に根を張り、周囲に葉や茎を伸ばして育っています。吊り鉢で健全に育てるには、こまめな水やりや霧吹きによる葉水など、湿度の高い環境での栽培管理が必要なのです。 吊り鉢で育てやすいのは、原生地では幹や枝、岩の壁面などに根を付着させて生きる「着生タイプ」。比較的乾燥に強く、美しい姿を保てます。
●連載「インドア栽培 AtoZ」 気軽に植物を暮らしに取り込もうと、室内で植物を育てたいという園芸ファンが多くなりました。熱帯植物栽培家の杉山拓巳さんが、さまざまな植物を室内で育てるためのテクニックを毎月紹介します。 杉山拓巳(すぎやま・たくみ) 熱帯植物栽培家 愛知県で熱帯植物の生産を行う。ビカクシダをはじめ、ティランジアやアンスリウム、ホヤなどに造詣が深く、育種も手がける。SNSで栽培に関する情報を発信中。著書に『観葉植物 パーフェクトブック』『12か月栽培ナビNEO ビカクシダ』(NHK出版)など。 『趣味の園芸』2024年9月号 インドア栽培 AtoZ「吊り鉢を楽しむならこの植物!」より