40トンのトマトが被害に・・・ 鮎やなは今季の設置を断念 宮崎県内の大雨による浸水被害の現状
宮崎放送
大雨は宮崎県内の農業にも打撃を与えました。 ハウスが浸水するなどして深刻な被害が出た門川町のトマト農家は涙ながらに悔しさを語りました。 (いけとも農園 池田知聡さん) 「今年は最悪の10月」 泥が付着しているトマト、葉っぱや茎はしおれてしまっています。 門川町庵川でトマトを栽培している池田知聡さんの農園では、大雨により近くを流れる川が氾濫し、44アールの農業用ハウスすべてが水に浸かりました。 今月からトマトの収穫を始めていた池田さん。 今回の浸水で40トンほどのトマトに被害が出て、およそ300万円の損失が出ました。 (いけとも農園 池田知聡さん) 「トマトに水で洗い流さないといけないが、いろんなものが散乱していたり、通れないし、ましてや外見からまずやらないと、今度はいま雨が降ったりしているので、排水パイプとかめちゃくちゃなままだったので、今直したので、とりあえずそこから始まるのですぐに(トマト作業に)取り掛かれないのが現状」 ハウスの外側にはこびり付いた稲の枯草や木のくずが。 水を止めるシートがめくれることにより、ハウス内が浸水し流れ込んだ土でなぎ倒された苗もあります。 (いけとも農園 池田知聡さん) 「ここ、根こそぎ土がないので、萎れている」 池田さんは水に浸からなかった一部のトマトで再起を図りたいとしていますが、悔しさをにじませます。 (いけとも農園 池田知聡さん) 「トマトが頑張っているので、人間も頑張らんとだめですね…」 一方、延岡市浦城町では、浸水被害のあった住宅で片付け作業が続いています。 25日は、延岡市社会福祉協議会の職員など14人が「災害ボランティア」として浸水被害を受けた住宅3棟を訪問。 汚れた家具をぞうきんで拭いたり、使えなくなった家具を廃棄したり、片付け作業を手伝いました。 (浸水被害に遭った男性) 「人間が身動き取れなくなった。一気に上がってきたので車も浸かって、家具も全部ひっくり返ってしまって、順番にやってきてもらったので、みんな助かっていると思う」 (延岡市社会福祉協議会地域福祉課 平田翔太郎さん) 「結構床上まで浸水して家財まで浸かっているところが多くて、ボランティアを必要とされている方に対して手助けとかサポートしていけたら」 また、川の増水により、流されてしまった延岡市の秋の風物詩「鮎やな」。 今月下旬の完成を見据え工事が進められていましたが、延岡市は費用や天候などを踏まえ今シーズンの設置を断念すると発表しました。 各地に影響を及ぼした大雨。復旧にはまだ時間がかかりそうです。
宮崎県がまとめた大雨被害です。 県内の住宅の浸水被害は床上床下合わせて221棟。 農作物では飼料作物がおよそ90ヘクタール、水稲がおよそ21ヘクタールで浸水被害が出ています。 また、道路では県道6路線6区間が通行止めとなっています。
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