人気番組『バラいろダンディ』終了の裏に権力闘争!? ”生みの親”プロデューサーが「漏らした一言」
マツコ・デラックスを見出した男
今年も「世界ふしぎ発見!」(TBS系)や「ブラタモリ」(NHK、2025年4月復活予定)など、数多くの名物番組がその歴史に幕を下ろしました。番組改編期の風物詩ですが、「ついに終わるのか」と時代の変化を感じた方も少なくないでしょう。 【こんなにアッサリ?!】テレ東の看板番組の終わりを告げる一報 番組が終了する理由は視聴率の低下、制作費の削減、出演者の高齢化などいろいろとあるわけですが、一部テレビマンの間で“想定外の理由で終了した”と言われている番組があります。2014年に放送開始、今年9月に放送終了となった東京メトロポリタンテレビジョン(東京MX)の看板番組「バラいろダンディ」です。 月曜から金曜の夜9時から生放送されていた情報番組で、番組後期はMCはふかわりょう(50・月~木曜担当)、原田龍二(54・金曜担当)、アシスタントは山田邦子(64・月~木曜担当)と新井麻希(42・金曜担当)が務めていました。 コメンテーター陣が苫米地英人(65)に武井壮(51)、遠野なぎこ(45)に宇多丸(55)、玉袋筋太郎(57)とパンチのある人ばかりで、彼らの歯に衣着せぬコメントがたびたびネットニュースになっており、地方の人にもその存在は知られていました。そんな看板番組の終了に関して、東京MXのベテランスタッフは私にこう耳打ちしました。「“バラダンは社内の権力闘争のあおりをくう形で潰された”と、もっぱらの噂です」と。 どういうことでしょうか? バラいろダンディを立ち上げたのは辣腕プロデューサーのA氏。東京MXのもう一つの看板番組「5時に夢中!」の生みの親として知られるやり手です。あのマツコ・デラックスを見出した功績は大きく、昨年6月の人事で常務取締役(編成制作本部長・営業本部長委嘱)に昇任。「今年6月の人事で社長に上り詰めるのでは?」と言うテレビマンもいました。 ところがーー結論から申し上げますと、A氏が社長に就任することはありませんでした。それどころか、彼は東京MXを追われることになりました。 いったい、何が起こったのでしょうか。 ◆A氏が去ってすぐ「番組終了」の連絡 東京MXは4月26日、同社の常務が架空の制作費を取引業者に請求させ、接待交際費を捻出する不適正な経理処理をしていたと発表。2015年から2023年の間に約3500万円もの金額を自らに還流させていた、と説明しました。 同局は当該の常務の氏名を頑として明かしませんが、先の東京MXベテランスタッフは「A氏です」と断言しました。実際、今年6月の人事の後に発表された新経営陣に彼の名前は入っていません。 A氏と付き合いのあった芸能ライターは首を傾げながら、こう言いました。 「MXは東京都が株主として入っているテレビ局、『番組作りのために酒代を経費にしてくれ』なんて認めてくれませんーーと、A氏はかつて雑誌のインタビューで語っていました。実際、MXは問題となったA氏の接待交際費について“業務に関連がないとまでは言えない”として、刑事告訴を見送ったとも発表しています。ならば、なぜ公表したのか。大功労者なのだから、内々に処理すればよかったのではないか? スタッフの間では『よっぽどAさんに社長になってほしくなかったんだな』という声があがっていました。というのも、A氏は日頃から『テレビ局なのにテレビを知らないシロウトが上層部にいるのはおかしい』と口にしていたからです。彼が社長になったら首筋が寒くなる人が少なからずいたのは間違いない」 ここから事態は急展開を見せます。 「“不正経理”が公表されたのが4月末。A氏が社内外の人に別れの挨拶をしてMXを去ったのが5月末。その数日後、6月に入ってすぐにバラダンの終了が我々スタッフに告げられました。まさに寝耳に水でした。“そんなにA氏の影響力を削ぎたいのか”と唖然としましたよ……」(別の番組スタッフ) MXから追い出され、自身が生み出した「バラいろダンディ」まで失うことになったA氏。番組スタッフの質問攻めにも何も語らずにただ一言、「“リアル半沢直樹”みたいなことってあるんだな」という捨て台詞を残して去ったそうです。なんとも意味深です。 その後、彼の姿をテレビ界隈で見た者はいません。ただ、業界有数の辣腕プロデューサーがこのまま引き下がるとも思えません。何かの形で“倍返し”を狙っているのではないでしょうか。 ちなみに今年6月、東京MXの社長に就任したのはテレビ制作経験がない女性でした。そんなMXから今後どんな番組が生まれるのか。A氏のもうひとつの遺産、「5時に夢中!」は今後どうなるのか。 2025年の東京MXとA氏の動きに注目です。 取材・文:新佐 久(放送作家)
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