70歳「一人暮らし」の父が、200万円の貯金と月10万円の年金で生活しています。本当に一人で生きていけるのか心配です…
老後の生活にいくら必要なのかを知らずに、年金だけでやりくりしようと考えている方もいらっしゃるかもしれません。年金不足が問題視されるなか、年金だけで生活することは難しく、老後の生活費としては、2000万円以上の資金が必要であるといわれています。 ▼65歳から70歳まで「月8万円」をアルバイトで稼ぐと、年金はどれだけ増える？ そこで今回は、老後の生活にいくら必要なのかについて解説します。
老後の生活に必要なお金はいくら？
まずは、老後の生活にどのくらいお金がかかるのかを見てみましょう。 総務省統計局の「家計調査年報（家計収支編）2022年（令和4年）」によると、65歳以上の無職世帯における月の支出は、表1の通りです。 表1
※総務省統計局「家計調査年報（家計収支編）2022年（令和4年）」を基に筆者作成 定年退職後にあたる65歳以上の無職世帯では、単身世帯で約16万円、夫婦のみの世帯で約27万円の支出が予想されます。ただし、生活スタイルによっても支出は変わってきますので、あくまでも目安として参考にしてください。 定年退職後に働かない場合は、表1の支出を年金でやりくりする必要があります。年金で足りない分は、貯蓄でまかなわなければなりません。 さらに高齢者になると、病気を発症したり介護が必要になったりする可能性が高くなります。その場合、医療費や介護費が追加でかかるため、余裕のある資金が必要といえるでしょう。
月10万円の年金と200万円の貯蓄があれば何年生活できる？
老後資金としていくら必要になるのかは、年金受給額やかかる支出によって異なります。今回は例として、貯蓄が200万円ある単身世帯の方が、月10万円の年金をもらいながらであれば、何年生活できるのかを見てみましょう。 単身無職世帯におけるひと月当たりの平均支出は、15万5495円です。年金を毎月10万円受け取っている場合は、差し引くと月に5万5495円足りなくなり、年間では66万5940円足りないことが分かります。足りない分は貯蓄からまかなう必要があり、貯蓄が200万円あるとしても、3年ほどしかカバーできません。 支出が増えたり、医療費や介護費が必要となったりした際には、3年よりも早く貯蓄がなくなってしまうおそれがあります。
