ろうそくともし犠牲者悼む 福知山線事故、25日で19年
乗客106人が亡くなったJR福知山線脱線事故から25日で19年となる。 兵庫県尼崎市の事故現場にある慰霊施設「祈りの杜(もり)」では24日夜、遺族らがろうそくに火をともし、犠牲者を悼んだ。 午後6時ごろ、脱線車両が衝突したマンション前に並べた約700本のろうそくに火がともされた。「2005・4・25 わすれない」の文字が夕闇に浮かび上がり、遺族ら約10人は揺れる火を静かに見詰めた。ろうそくを覆うカバーには「みんなが安心できる鉄道へ」「事故を決して忘れない」などのメッセージが記された。 追悼行事は今年で10回目。事故の記憶を伝えるため、義弟=当時(34)=を亡くした上田誠さん(57)らが2015年に始めた。上田さんは、事故について「二度と起こしてほしくない。安全を考えるきっかけにしてほしい」と訴えた。 ボランティアとして毎年参加しているという同県姫路市の女性(40)は、JR西日本に対し「生活に欠かせないものだからこそ、安全な輸送をお願いしたい」と語った。 25日には同じ場所でJR主催の追悼慰霊式が開かれる。