韓国のレトロな戒厳令騒ぎ つながり強い〝高校閥〟の先輩後輩 飲食しながら極秘の話か ソウルからヨボセヨ
韓国の戒厳令騒ぎに国民のほとんどは「今の時代になぜ?」と驚きあきれているが、外国人記者としては騒ぎの中での韓国的風景が気になる。その一つが戒厳令を画策したのが大統領とその高校同窓生だったという話。組織より人脈重視の韓国では血縁・地縁・学縁が3大人脈だが、今回は〝高校閥〟が事を左右したというのだ。戒厳令もそうだがいかにもレトロ(復古調)で興味をそそられる。 話題の高校はソウルにある冲岩(チュンアム)高校。大統領とその指示で軍隊を動かした国防相(当時)および防諜司令官(旧保安司令官)の3人はこの高校の先輩後輩で、韓国紙の報道によるとこれまで一緒に飲食を共にしながらひそかに戒厳令の話をしていたという。同窓だから極秘の話もできる。学縁でも高校同窓は最もつながりが強いといわれ、お互い無条件で面倒を見合い助け合う。 ところがこの話が伝わるや冲岩高校には非難、抗議の電話が殺到し、在校生も街で通行人から文句を言われる場面も出ている。そこで学校では通学時にそれとわかる制服は着なくてもいいと指示し、登下校時には警察がパトロールしているとか。大統領を輩出して一躍有名になり格が上がったのに、一転して悪の巣窟みたいになってしまった。そのうち大統領以下を同窓会名簿からはずせとなるかもしれない。(黒田勝弘)