『龍が如く8』×スパリゾートハワイアンズ コラボイベントリポート。春日一番役の中谷一博さん、龍が如くスタジオ代表の横山昌義氏へのインタビューも!
文・取材:齋藤モゲ 「行こう♪湯こう♪湯の国へ~♪」というCMソングでもお馴染み、福島県にあるレジャー施設の“スパリゾートハワイアンズ”(旧名は常磐ハワイアンセンター)。ウォータースライダーのある大型温水プールや温泉、ゴルフ場などを併設した同施設では、ハワイの名を冠しているだけあって、フラガールやポリネシアンショーなども楽しめる。 【記事の画像(21枚)】を見る そんなスパリゾートハワイアンズで2024年2月10日より絶賛開催中なのが、ハワイを舞台にした『龍が如く8』とのコラボ企画。本稿では、実際にハワイアンズでその内容を体感した記者の感想をお届けしよう。 なお、記事の後半では3月2日に行われた、中谷一博さんと横山昌義氏のサイン会の模様や、同日にのみ開催された“アロハリンクス”というスペシャルイベントの内容、そして中谷一博さんと横山昌義氏に行ったインタビューも掲載しているので、『龍が如く』ファンは注目だ。 会場で楽しめるスタンプラリー! コラボ期間中、ハワイアンズ内では『龍が如く8』のスタンプラリーを開催している。会場内の受付でもらえるスタンプシートに記載されたヒントをもとにスタンプを探すことになるのだが、施設はそれなりに広く、入り組んでいる場所もあるので、すべてのスタンプを探すにはそれなりに歩き回ることになる。とはいえ、すごく難しいわけでもないので、ほどほどに楽しめるいいバランスだ。 用意されたスタンプは10個で、すべてが『龍が如く8』に登場するキャラクターのもの。これを集めるだけでも十分楽しいのだが、すべて集めると缶バッジをもらえるというのも熱い! ちなみに、缶バッジは10種類+シークレット2種となっている。 ここでしか飲めないコラボドリンク! 昨今のコラボ企画では欠かせない、ドリンクの販売も実施。施設内の“飲食店パオ”で対象のドリンクを買うたびに、ランダムで特製デザインのコースターがプレゼントされるというシステムになっている。ドリンクの種類はノンアルコール6種、アルコール入りが2種とバリエーション豊富なので、気に入る味を見つけるまで飲み比べてみるのもよさそうだ。 カムロップといっしょに写真が撮れる! 3月9日、3月16日、3月20日のみにはなるが、入場口に『龍が如く8』の人気キャラクターであるカムロップが来場。頼めばいっしょに撮影してくれる。記者が訪れた際には、ハワイアンズの公式キャラクター“CoCoネェさん”も登場しており、今回のコラボを体現するようなシーンを観ることもできた また、フォトスポットとして会場内には『龍が如く8』に登場するキャラクターたちの等身大パネルも用意されている。明確な推しキャラがいる方は、こちらで撮影を行うのもオススメだ。 『龍が如く8』の先行グッズ販売も! 施設内にある“ハワイアンズマーケット”には『龍が如く』コーナーが登場。ハワイアンズ×龍が如くコラボを記念したアクリルスタンドのほか、Tシャツやパーカーなど、一部グッズの先行販売も行っている。いち早く『龍が如く』グッズを手に入れたい熱心なファンは、コラボ期間中にぜひ来場してゲットしておこう! 3月2日に開催された限定イベント“アロハリンクス” 本取材を行った3月2日には、『龍が如く8』のゲーム中に登場する“アロハリンクス”という仕組みの名前を冠したイベントも実施されていた。作中でのアロハリンクスは、ハワイの住人にエモートをしたり、アイテムを渡すことで仲を深めるというもの。今回のイベントもそのエッセンスを活かし、会場内にいる開発スタッフに「アロハ!」と声をかけると、“おみくじ”がもらえ、それを3枚集めると特製ステッカーがプレゼントされるというイベントだった。 また、3月2日には中谷一博さんと横山昌義氏によるサイン会も実施。サイン会のために東京からクルマで現地に向かっていた両名、そして配信者のドグマ風見さんが、移動の車中で『龍が如く8』にまつわるさまざまな雑談を収録したという。さらに、ハワイアンズでもちょっとした撮影を行っていた。詳細はまだ決まっていないが、この配信番組も近日公開されるということで、『龍が如く』ファンはその内容にも期待したい! お待ちかね! 中谷一博氏×横山昌義氏へのインタビュー 配信番組の収録とサイン会の合間を縫って、春日一番役の中谷一博さんと龍が如くスタジオ代表の横山昌義氏に行われた、メディア向けインタビュー。その内容を下記にてお届けする。 ――まずは発売1カ月というタイミングでの感想をお聞かせいただけますか。 横山 売上に関しては、1週間程度で100万本を達成できたのですが、そういったスピード感というものは『龍が如く』シリーズは経験したことがなくて。これは1作目の『龍が如く』からですが、クチコミで広がって継続的に売れるタイトルなんです。また、遊んでくださる層が大人なので焦らない、ということもあるとは思うのですが。だからこそ、『龍が如く8』の初動のスピード感は驚きでしたね。日本だけで言うと、これまでの『龍が如く』シリーズよりも勢いがあるんですよ。 ――その勢いは感じます。 横山 発売までの2年間、「誰が観てくれているんだろう?」と思いながら『龍スタTV』などで発信を続けてきましたが、もしかすると、そのおかげはあったかもしれないですね。 ――100万本達成で、ゲーム内DLCとしてTシャツの配布も決まりました。 横山 あれも急遽決めたんですよね。何も準備をしていなかったのですが「明日100万本達成のリリースを出しますよ」と言われたので、「じゃあ売っているTシャツをそのままゲーム中に出そう!」みたいな感じで決めて。なので、じつはリリースに掲載されている画像は実際の商品のサンプル画像で、その段階ではCGにすらしていなかったんです。そろそろ配信できそうな感じだとは思いますけれど。 ――ありがとうございます。中谷さんはいかがでしょう? 中谷 発売後は日本だけでなく、世界中のファンの方々に反響をいただいて。さらに声優仲間からも現場で「発売おめでとう!」と現場で言われるのかびっくりでした。それぐらいみんな注目してくれている存在になったのだという想いとともに、ものすごくうれしく感じた1ヵ月でした。 ――今日も会場にファンの方たちがいたんですけれども、グッズを持参している熱いファンが多いようでした。 横山 『龍が如く』ファンの皆さんに来ていただいて、少しでもハワイアンズさんが潤ってくれたらいいなと思います。コラボしていただいた側に恥をかかせられないので(笑)。そういう意味では、今回は大成功だと思います。 ――早くもコラボ期間が延長されたことからも成功具合がわかります。 横山 というか、事前に準備していた缶バッジがあっという間になくなってしまったということもありまして。いかに見誤っていたかわかりますよね(笑)。 ――今日、横山さんや中谷さんがここにいらっしゃるまでに、動画を収録されてきたという話を伺ったのですが。 横山 そうなんです。クルマに中谷さんとドグマ風見さんを乗せて来たんですが、そのあいだに私たちの雑談を3時間ぐらい撮っていまして。 ――そこでは、どのようなお話をされていたのですか? 横山 ほとんど『龍が如く8』の裏話ですね。クリアーしている前提での裏話なので、なので、「あのシーンがよかった」とか「山井の最後のセリフがいいよね」とか。 中谷 あれはいいですよねえ。 横山 「山井豊ってどんな想いで名前を付けたんですか?」って聞かれて、「適当です」って正直に答えたり(笑)。 中谷 それを聞いて「嘘でしょう?」って思いました(笑)。 横山 そういう部分はそこまで考えていなくて。もっと意外なところを考えているんですよ、という話をしていましたね。 ――それは興味深いです。 横山 そもそも今回の収録やサイン会を行うことになったのは、たまたま中谷さんがプライベートでハワイアンズに行くという話をXに書いていて。私は私で、近い日付でこちらに来ようかなと思っていて。「だったら同じ日にしますか?」みたいなところから、この話が始まったんです。そうしたらドグマ風見さんが反応していたので「じゃあいっしょに来ます?」ということで、最終的にこんな形になったんです。だから、ほぼプライベートのような感覚なんですね。 ――ということは、車内の雑談もそのノリで? 中谷 そうです。すごくフランクな感じで盛り上がりました。 横山 収録した内容は、後にどこかで公開する予定なので、楽しみにしていただきたいですね。放送できるのかな? という内容もあったかもしれないですけれど。 中谷 そこは科学の力でどうにかしていただければ(笑)。 ――ちなみに、今回のハワイアンズさんとのコラボはどちら主導で始まったことなのでしょうか? 横山 もちろんこちらからです。じつは年末の長時間放送で、開発チームとマーケティングチームで対決をやっていたんです。その対決の結果で実施するイベントを決めようという趣旨だったのですが、それは開発チームが勝って、レッドカーペットを歩いて発表会を行うというものになりました。負けたマーケティングチームがやりたいと言っていたのが「ハワイでイベントをやりたい」というものだったのですが、勝負に負けていますし、実際にハワイでやるのもたいへんなので……近場のハワイということで、ハワイアンズさんにお願いをした、という次第です。 ――そうだったんですね。 横山 行きがけの車の中で話していたのですが、ハワイアンズでイベントをやらせてもらうっていうのは、けっこうこのプロジェクト最初から私の頭にはあったんです。それはなぜかというと、『龍が如く8』は『俺の家の話』という宮藤官九郎さんがやったドラマに影響を受けていて、そこからエンディングノートという要素を入れたりもしているんです。 ――なるほど。 横山 そのドラマでは、離散していた家族が集まって、余命わずかなお父さん(演:西田敏行)をハイエースに乗ってハワイアンズに旅行に行くんです。そして、ステージ上でお父さんが布施明さんの『マイ・ウェイ』を歌うというシーンがあったんですけれど、「そういうのをやりたい!」っていう想いがあって。私たちは『マイ・ウェイ』を歌ったりはしませんけれど(笑)。 ――(笑)。 横山 そう考えると、『龍が如く8』は作り始めたころから思っていたことをかなり実現できているプロジェクトだと思います。椎名林檎さんの曲もそうですし、今回のハワイアンズさんとのコラボもそうですし。本当にうまくいったプロジェクトなんでしょうね。 ――中谷さんに伺いたいのですが、いまだから言える『龍が如く8』のオススメのシーン、あるいは思い入れの強いシーンなどがあれば教えてください。 中谷 僕自身も『龍が如く8』をプレイして初めて見るシーンもけっこうあって。自分が出ているシーンも、いざ映像になって観てみると、「こういうことだったんだ!」と気づかされることも少なくなかったですね。僕は90時間ちょっとでクリアーしたのですが、プレイ中は「自分が春日一番を演じている」というより、「春日一番がひとり歩きしているな」という感覚になりました。いい意味で一番がひとりの人間として作中で独立していたと思います。 ――演じていたご本人は、そう感じられるものなのですね。 中谷 お恥ずかしい話ですが、収録してから時間が経っていることもあり「こんなセリフ言ったっけ?」みたいなものもけっこうあって(笑)。 ――あはははは(笑)。 中谷 たとえば“絆ビンゴ”を埋めたときの「なかよし!」とか、ぜんぜん覚えていないんです。 横山 開発チームの中でも、「なかよし!」はけっこう人気のセリフなんですけどね……本人は覚えていない(笑)。まあ、仕方ないとは思います。とんでもないボリュームの台本なので。 中谷 全部のセリフを得てベストで演じたいというのはあるので、全部思い入れはあるんですけれども……。まあ、逆に「『龍が如く8』で「なかよし!」っていうセリフにいちばん力を入れて撮りました!」というのも気持ち悪いので(笑)。 横山 メインストーリー以外の、ゲーム中に使うセリフというのはごった煮で収録するんです。たとえば「ロン!」とか「ポン!」とか言っているなかに「なかよし!」とか入っていても、それは覚えてないですよね、という。 中谷 そうそう、そうなんです。 横山 一応、「絆ビンゴに使います」とか説明は書いてありますけど、そもそも絆ビンゴって何? って話ですし。 中谷 まさしく(笑)。ちょっと脱線しちゃいましたが、シーンとして印象深いのは、浜辺の茜さんとの話と……やっぱり最後の英ちゃんとの会話ですね。とくに後者は収録をしているときに映像を観ていなかったですけれど、横山さんに「よかった」とおっしゃっていただけたこともありますし、いちユーザーとしてプレイすると泣けちゃうんです。あそこで音楽がかかった瞬間に、先のことは知っているんですけれど、それ以上の感情が即座に湧き上がってきて。開発の皆さんが「勝ち確」って仰っていましたが、まさしくその通りになっていたと思いますし、そのシーンを観ていただいて、ファンの方にはいろいろ感じていただければうれしいなと思っています。 ――では、最後に読者の皆さんにひと言ずつお願いします。 中谷 本当に長いこと『龍が如く8』の発売を待ってくださって、プレイした後もまだまだ熱が冷めない状況です。本当に皆さんの期待が、演者や作り手側の方々にひしひしと伝わって……皆さんと一体化して『龍が如く』がまたひとつ高みに上がったと思います。それはファンの皆さんのおかげだと思っているので、ぜひまだまだ『龍が如く8』をすみずみまで遊びつくしていただいて、これからの音楽スタジオの作品ご期待いただきたいと思います。また、春日一番が帰ってくる日があれば、ぜひ温かく迎えてください。 横山 作り手としては、作品をリリースしたときには、もうつぎの作品のことを考えているので、あまり過去を振り返ったりはしないものなんですけれど。ただ、今回は感じているのは、皆さんの反響とか感想が入ってくる遅いなと思っています。それはなぜかというと、ゲームボリュームが大きいからで。じつは本当の意味での評価というのは、やっと届き始めたかな、と感じていますし、まだまだこれからもたくさんのお声をいただけるんだろうな、と思うんです。そんななか、私たちは何かのゲームは作り始めているので、それをいつ皆さんに発表できるのかというのを必死に考えながら毎日生きている、みたいな状況です。『龍が如く8』の感想はぜひ言ってほしいですが、僕らはただただ前を見て、作品を作っていくのかなと思っています。何かしらはもう作ってはいますけれど、それを発表できるとは限らないですからね。チャレンジするなかで潰れちゃうということはよくある話なので。ですが、龍が如くスタジオはいまもなお動いていますし、これからヒントが出てくる日が来るかもしれないので、ぜひご注目いただければと思います。
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