大分強殺で死刑求刑 無罪主張の被告「犯人に仕立て上げられようとしていることに恐怖しか感じない」
検察側「被告の供述に矛盾」
しかし、これまで佐藤被告は「プロレスマスクの男に車を貸した」と供述していた。被告人質問の中で「車に乗せて現場近くに向かった」と説明したことに対し、検察側は矛盾があると指摘。これに対し、佐藤被告は供述が変わっていることを認めた上で、「現場付近にいたと言ったら、疑われると思った」と弁解し、「男たちは大量殺人犯でその濡れ衣を着せられると思った」などと話した。 また、遺族から心境を聞かれた際には「本当の犯人を目の前にしていない事が不幸で残酷な事実だと思っている。証拠の一つ一つに目をつむらず、ちゃんと見てほしい」と述べていた。 17日に行われた裁判員裁判で検察側は「被告の主張は言い逃れのための嘘のストーリー。残虐で極めて強固な殺意に基づく犯行。人命の軽視も甚だしい」などとして死刑を求刑。 一方で弁護側は被告の車の中から第三者の血痕が見つかっていることから第三者の犯行の可能性について指摘した上で、「犯人であることの決定的な事実はない」と改めて無罪を訴えた。 佐藤被告は最後、次のように述べた。 「無実の人間が犯人に仕立て上げられようとしていることに恐怖しか感じない」「信用できないと言われるのも分かるが、法廷では嘘はついていない、証拠を無視して有罪にすることはしないで欲しい」 「僕も被害者、犯人がとても憎いし、捜査側も憎い。真犯人が捕まることを祈っている」 と話した。
裁判を傍聴した記者「被告の表情は一切変わらず、遺族を見つめていた」
大分地裁の裁判員裁判で死刑が求刑されるのは初めて。 この裁判について17日は朝から傍聴券の抽選が行われ、大分地方裁判所には160人の希望者が集まった。 裁判を傍聴したTOSの記者は「被害者の遺族が意見陳述をしている時、佐藤被告の目の辺りを見ていたが、遺族が声を震わせながら感情をあらわにしている時でも被告の表情は一切変わらず、遺族を見つめていたシーンが記憶に残っている」「検察側から死刑が求刑された際、遺族はハンカチで目元を抑え涙を拭っていた。これに対し佐藤被告は反応することなく一点を見つめていた。」と話している。 判決は7月2日に言い渡される。 (テレビ大分)
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