生地が意外!野球グラブを愛する男性が『野球と関係ないところ』で生み出した新グラブに選手も職人も驚いた 熊本
■意外な素材から生まれるフィット感 佐藤さんのグラブの珍しい特徴は、手を入れる部分の素材です。 佐藤さん「本来は裏側にある生地。毛羽立ちがあり手にしっくりきて、フィット感が増す」 これまでに3000個以上のグラブを製作してきた職人も、その発想に驚いたといいます。 グラブ職人 三宅泰成さん「手を入れるところに使うというのは珍しくて、職人になってから一度もない。そこに使うのか、と思った」 ではなぜ、ざらざらした素材を使ったグラブを作ることにしたのか。そのアイデアは野球と関係のないところから生まれました。 ■「職人の手」から「選手の手」へ 佐藤さんの本業は建設業、その現場で重宝されているのが革の手袋です。他の作業員の手元を見てみても、全員革の手袋を使っています。 38年のベテラン職人「自分は革の手袋が一番ですね」 滑りにくく汗を吸うことで、快適に作業ができるといいます。この革の手袋に使われている牛の革由来の素材こそ、佐藤さんがグラブに採用した材料です。 佐藤さん「何十年も職人に愛されてきたものをグラブに取り入れてみても面白いかなと思って、やってみたら割といい感じの物ができた」 ■「熊本発グローブ」拡散中! こうして機能性を追い求めた佐藤さんのグラブ。熊本県内トップレベルの軟式野球チームの選手たちは、どう反応するのでしょうか。 熊本赤十字病院 軟式野球部 選手 「おー フィット感がいいですね。力みなく投げられそうな感じ」 「いつもは手汗がひどくて手袋をはめるんですけど、これだったら手袋なしで捕れるのでフィット感が増す」 この日の試着会では5人が購入を希望しました。 佐藤さん「自分がこだわったところが伝わっているので嬉しいです。まだ全然知られてもないし、使ったこともない感覚だと思うので、まずは知ってもらうことからかなと」 佐藤さんは今、熊本城やその石垣『武者返し』のデザインを考案中。機能性を備えた熊本らしいグラブをさらに広めようという、佐藤さんの挑戦は続きます。
熊本放送