「ボール保持は意味なし」から180度の方向転換。シメオネが堅守速攻から脱却した理由【コラム】
「縦に速いサッカー」では進化も望めない
シメオネ・アトレティコは方針転換後、今シーズンはラ・リーガで優勝争いにも絡めなかった。とにかく、失点が増えた。攻撃に取り組むことで、防御に隙が生まれてしまった。かつての要塞堅固のチームではなくなったと言える。 一方、勝つべくして勝っている。確実にプレーは向上。エースFWアルバロ・モラタがキャリアハイの得点を記録し、アントワーヌ・グリーズマンが復活を遂げたのは、ゴールへの道筋があるからだ。 せめぎ合いはある。次にどこへ舵を切るか。サッカーの命運は託される。 「縦に速いサッカー」 そのような御託で、技術や度胸のなさを正当化している限り、サッカーの進化も望めない。 文●小宮良之 【著者プロフィール】 こみや・よしゆき/1972年、横浜市生まれ。大学在学中にスペインのサラマンカ大に留学。2001年にバルセロナへ渡りジャーナリストに。選手のみならず、サッカーに全てを注ぐ男の生き様を数多く描写する。『選ばれし者への挑戦状 誇り高きフットボール奇論』、『FUTBOL TEATRO ラ・リーガ劇場』(いずれも東邦出版)など多数の書籍を出版。2018年3月に『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューを果たし、2020年12月には新作『氷上のフェニックス』が上梓された。
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