市と事業所増設協定締結 テルモ山口、生産体制を強化【山口】
医薬品・医療機器製造のテルモ山口(坂口至社長、山口市佐山)は21日、市と事業所増設に関する協定を結んだ。山口テクノパークにある既存工場の設備増設と隣接地の取得・活用で生産体制を強化して医療で山口から国内外に貢献していく。 同社は、医療機器メーカーのテルモ(本社東京都)の子会社として2011年に市に進出。心臓や血管の治療に用いられるカテーテルを挿入するためのガイドワイヤと、薬剤が既に入った注射器を主に生産している。着実に増産体制を整えて、今年1月時点で938人の社員を有している。 国内外で医療機器の需要が高まっていることを背景に、今回の投資では既存工場の空きスペースにガイドワイヤの増産設備を導入する。さらに協和医療開発が有していた約3㌶の土地と約4500平方㍍の工場を取得。この工場を活用し、注射器の安全装置などの部品や海外から輸入した製造に必要な材料の洗浄と検査を行う。これまで外部委託してきた工程の内製化を図る。 この投資で整備される設備のすべての稼働は26年12月を見込む。27年3月までに、地元からの積極雇用で、150人を新規採用する。全体の設備投資額は約28億円。新たに取得した土地では工場や駐車場の新設も検討している。 同社であった締結式で伊藤和貴市長は「市は医療分野の企業誘致に力を入れてきた。この生産体制強化は市が目指す若者活躍と多様な雇用創出に大きく貢献する」とあいさつ。坂口社長は「医療機器、医薬品の安定供給の使命に応えるとともに雇用創出を通じて山口県と市に貢献したい」と意欲を見せた。