【日経賞】遅咲きの7歳馬クロミナンスを推奨 打倒ボッケリーニの公算あり
血統解説:クロミナンス、ボッケリーニ
・クロミナンス 日本での牝祖は3代母ザスキート。伯父に中京記念勝ちのフラガラッハ(父デュランダル)などがいて重賞級の活力は持ち合わせているファミリーだ。本馬の母イリュミナンス(父マンハッタンカフェ)もクイーンCとクイーンSで3着していてJRA4勝の実績馬だ。芝適性の高いファミリーで、瞬発力というよりは持続性能の高さで勝負するタイプが多い。 本馬は父がロードカナロアだが母系の特徴を上手く引き出していて、短距離馬にならずこの一族らしいタフな中距離馬に仕上がった。 6歳にして準OP勝ち、7歳で重賞挑戦という遅咲きだがキャリアはまだ11戦とフレッシュさがある。本馬は東京コースで切れる脚も使えるが中山でもしぶとく伸びる万能型。怪我などもあって出世が遅れたがここでも楽しみな1頭だ。 ・ボッケリーニ 日本での牝祖は7代母レデイチヤツター。約60年日本で繋がってきたファミリーだが勢いが出てきたのはつい最近。宝塚記念、天皇賞(秋)とGⅠを2勝した本馬の全兄ラブリーデイを筆頭に、一昨年の皐月賞馬ジオグリフ、ステイヤーズS3連覇のアルバートなどが出ている。 芝を主戦場とする馬が多いファミリーだが、特筆すべきは豊富なスタミナ。本馬もデビュー戦こそマイルを使われたが、その後は徐々に距離を延ばしていき一昨年の目黒記念で1着、昨年の日経賞で2着など中長距離適性の高さを見せている。 すでに8歳で気性的にはかなり落ち着いており、折り合い面に不安がないことからもGⅡ、GⅢクラスでこの距離であれば安定勢力といえるだろう。距離延長となる今回は前走よりも追走スピードは遅くなるだろうから、ポジションも取りやすく無視できない存在。上積みは望みづらいが上位の1頭であることは間違いない。
Cアナライズではクロミナンスを推奨
今回はクロミナンスを推奨する。7歳と年齢だけ見ればベテランだがキャリアは浅くフレッシュさがある。ようやくコンスタントにレースを使えるようになってきて本格化の兆しも見られる。このカテゴリーでは安定勢力のボッケリーニが難敵だが、前走の着差は0.2秒。直線の進路取りの差を考えれば十分に逆転は可能だ。 【ライタープロフィール】 貴シンジ 競馬ライター。サラブレッドの血統をファミリー中心に分析する牝系研究家。3つのファクターから構築する「コンプレックスアナライズ」を駆使して競馬予想を行う。WEBサイト『ウマフリ』で「牝系図鑑」も連載中。競馬予想のほか「競馬王」など商業誌での執筆、一口馬主クラブ募集馬やセリ馬の血統分析、血統の魅力の伝承、繁殖牝馬の配合提案などを独自の切り口から行う。
貴シンジ