【新NISA】投資初心者の正解した選択とちょっと残念な話とは?
新NISA制度のスタートは、投資未経験者にとって投資を始める絶好の機会となりました。すでに始めている人の事例で、投資初心者の心得を確認します。
つみたてNISAの要点をチェック
先日、懐かしい友人たちとの会合がありました。テーブルを囲んだメンバーは、元銀行員・運用会社の元ファンドマネージャー・英文学者、そして筆者の4人です。 英文学者のAさんは投資初心者ですが、2年前からNISAで積み立てを始めたそうです。Aさんが投資状況について語ってくれましたので、これをもとに投資初心者が気をつける点を確認したいと思います。 (1) NISA口座を開設したのはネット証券で、その理由は手数料の安さ この選択は正解です。手数料に目配りしている点は◎です。Aさんは日中仕事で忙しいので、好きな時間に取引できるネット証券が適しています。 (2) よく分からないので「つみたてNISA」で運用を開始 つみたてNISAは、毎月定額を投資する制度なので、自動的に時間の分散ができます。また投資できる商品は長期運用に適したものに限定されている点でも優れています。この制度を利用して始めたことは◎、これは現NISAの「つみたて投資枠」となります。 (3) 同じくよく分からないので、複数の投資対象を組み入れたバランス型の商品を選んだ 内容は、国内外の株式・債券・REITに投資するバランスファンド。「株式だけだと株価が暴落した時のことが心配だし、分散しているほうが安心。投資には時間や手間をかけたくない」というのが理由だそうです。 確かに経済状況に応じて組み合わせのバランスを調整するなどの作業は大変です。個人のリスク許容度にもよりますが、「こんなに損失を抱えてしまった」となると、うろたえて冷静な判断ができなくなるかもしれません。 その結果、その後の景気の回復を待たずして売却してしまう例は多いです。「バランスファンドで運用しているので、“株式のみ”に比べてへこみが少なくて済んだ」と納得できれば、回復を待つ余裕も持てるかもしれません。 Aさんがバランスファンドを選んだことは、自分のリスク許容度や投資に対する接し方にふさわしい選択をしたと考えられます。 ちなみに、複数あるバランスファンドから当該ファンドを選んだ理由を聞いたところ、「もっとも手数料(信託報酬)が安かった」という答え。元ファンドマネージャーは「他の比較も必要」と遠慮がちに苦言を呈しました。