醍醐虎汰朗が真っ直ぐに積み上げる人間力 “憧れのキャラ”を演じた映画『OUT』を語る
品川ヒロシ監督最新作で、人気ヤンキー漫画を原作にした映画『OUT』が11月17日(金)に公開される。“狛江の狂犬”と恐れられた伝説の不良・井口達也(演・倉悠貴)が更生生活を送る中で、様々な仲間と出会っていく物語。見応えあるアクションと、個性豊かな登場人物たちの熱いやりとりが見どころの一作だ。 【全ての写真】2023年は連続ドラマに初主演、今月に1st写真集発売も控える醍醐虎汰朗の撮り下ろしカット8点 本作で暴走族・斬人(キリヒト)総長の丹沢敦司を演じる醍醐虎汰朗は、原作の漫画の大ファンだという。そんな醍醐に『OUT』の魅力や現場でのエピソードを聞いた。
好きなキャラクターを演じられる幸せ
──映画『OUT』の原作は学生の頃から愛読していたとのことですが、「OUT」との出会いは何だったのでしょうか? 中学生のとき、学校で流行っていたんです。ちょうどヤンキーに憧れる年齢でもあったので、ヤンキーものの漫画や映画について「あれ面白いよ」「これ面白いよ」って友達の間で情報が飛び交っていて。その中の一つが漫画『OUT』でした。当時流行っていたヤンキー漫画は無骨で男臭いものが多かったのですが、『OUT」はビジュアルがカッコよかったし、絵のタッチもきれいで、どこかキラキラしている感じがして。当時の自分にすごくハマりました。 ──醍醐さんの“推しキャラ”が、まさに今回演じられたあっちゃん(丹沢敦司)だったそうですが、あっちゃんのどういうところに魅力を感じましたか? 僕自身の憧れが投影された人物なんですよね。身長が小さいけど一番強いっていう。当時、なぜか強くなりたかったので(笑)。あっちゃんには憧れがありました。 ──そんな憧れのあっちゃんを実際に演じられると知ったときはどう感じましたか? 驚きと嬉しさで「やったー!」と思いました。好きなキャラクターを演じられるっていうのは幸せだなと、素直に思いました。 ──あっちゃんはすごくカッコいいキャラクターだと思うのですが、演じるうえでプレッシャーなどは感じなかったですか? それはありました。自分が演じて成立させないといけないわけで。ビジュアルもそうですけど、それ以上にアクション映画ですし、アクションが微妙だったら冷めちゃうと思ったので、アクションに説得力を持たせることを念頭に置いて頑張りました。同時に、漫画特有の設定というか、“身長は小さいけど半端なく強い”というものをどう成立させるのかなっていうワクワクもあって。期待と不安が入り混じっていましたね。 ──あっちゃんをどういう人物だと捉え、どう演じましたか? 二面性のようなものを持っているキャラクターだなと思っていて。普段は、人の上に立ちながらも接しやすい。だけどいざ何かが起こったときにはすごく強くて怖い。漫画ではそのときの目がすごく印象的だったので、さすがに漫画のタッチの目を再現させるのは難しかったですが、どこか危ない人なんだなというのが伝わるように、というバランスは考えながら演じました。 ──本作には倉悠貴さん、水上恒司さんといった同世代の俳優はもちろん、芸人さんやJO1のメンバーも出演しています。異業種の方と一緒に作品作りをしたことで感じたことはありますか? いや、もうリスペクトしかないです。俳優業って、セリフを覚えるとか、家でやる作業っていろいろあると思うんですけど、アーティストの方や芸人さんはそれ以外に自分のグループ活動のこともあるわけで。実際に空き時間にダンスの確認をしていたり、曲を口ずさんだりしている姿を見て、「これだけ忙しいのは大変だろうな」と思いましたね。しかもその大変さを見せる方々じゃなかったので。いい刺激になりましたし、素直に尊敬するからこそ、僕も頑張ろうと思えました。 ──現場は結構和気藹々とした雰囲気で? はい。撮影が寒い時期だったので、しんどいことを乗り越えた仲間みたいな感覚です。普段から遊ぶようになった共演者は、他の作品よりも多いかもしれない。 ──ちなみに特に仲良くなったのは? 倉(悠貴)、(金城)碧海、(仲野)温くんは今でも結構遊んでいます。 ──同世代の方々と共演する中で、ご自身の強みや武器などについて考えることもありますか? あります。その中で、この身長も一つの武器だなっていうのは思っています。皆さんいろいろな個性がある中で、身長ってわかりやすい特徴の一つじゃないですか。あっちゃんに限らず、いただいている役柄は身長が低い役であることも多いので、今後も身長の低い役はしっかりと取っていきたい部分だなと思います。それまでは低身長をどこかコンプレックスに感じていることもあったのですが、今はこの業界でやっていくんだったらむしろ得したのかなと思っています。あとはやっぱり声ですね。それまでは特に自分の声について思うことはなかったのですが、新海組(新海誠監督の長編アニメーション映画『天気の子』)を経験してからは、声も武器として認識したほうがいいんだなと思うようになりました。