袴田巌さん無罪確定後初めて公の場に「長い闘いでした」 無罪確定報告集会 静岡市葵区
無罪判決確定後初めて公の場に姿を見せました。袴田巌さんの無罪確定報告集会が静岡市で開かれました。袴田さんも登場し「長い闘いでした」とあいさつしました。 袴田さん入場 58年前、旧清水市で一家4人が殺害された事件で、一度は死刑が確定した袴田巌さん。 しかし、静岡地裁の再審で捜査機関の3つのねつ造を認定し、袴田さんに無罪を言い渡し、9日に確定しました。 14日静岡市で開かれた集会には、弁護士や支援者ら多くの人が集まり、袴田さんも無罪判決確定後初めて公の場に姿を見せました。 袴田巌さん(88): 「長い闘いでございました。完全な無罪になりました」 そして、支援者らから袴田さんと姉ひで子さんにお祝いの花束が手渡されました。 ひで子さん: 「これで無罪ということがはっきり分かると思う。まだ半信半疑で、こうして皆さんにお祝いしていただいて、巌には実感として湧くと思う。感謝申し上げます。ありがとうございました」
筑波大学 本田克也名誉教授
またこの事件で、静岡地裁が2014年に再審開始を決定した根拠となるDNA型鑑定を行った、筑波大の本田克也名誉教授も出席しました。 本田さんの鑑定では、再審でねつ造と認定された5点の衣類についた血痕が、袴田さんや被害者のDNA型と一致しないと結論づけています。 筑波大学 本田克也名誉教授: 「古いDNAは完全な言語を話さない。言いたいことを読み取るのが本当のDNA鑑定の極意。私の鑑定はそうだった。DNAは嘘をつかない。私はそれを感じた。袴田さんの無罪を確信したから。万歳して終わりにする。万歳。万歳。万歳」
奈良女子大学 浜田寿美男名誉教授
再審では袴田さんの自白調書もねつ造と指摘されましたが、心理学者として供述内容を分析してきた奈良女子大の浜田寿美男名誉教授も登壇しました。 浜田さんは、捜査員が袴田さんをうその自白に追い込んだと早い段階から訴えてきました。 奈良女子大学 浜田寿美男名誉教授: 「これがやった人間の自白なのかと。見てみると全然違うわけですよ。あえて筋書きに合うように作り上げた犯行筋書きでさらにそれに対して裁判官が変更を加えて無実だってことは捜査官には分かったはずの事件だった」」 そして日本プロボクシング協会が「フリー袴田ナウ」と叫びながら出席者とともにこぶしを掲げ、袴田さんの無罪確定を喜び合いました。