不発の日ハム1番・中田翔は栗山監督の暴走采配か
楽天が2番にペゲーロを入れるなど、1番から上位に強打者を順に並べる打線で成功しているが、これは年間を通じて強打者の打席数を増やせば、チームの得点力がトータルでアップするというセイバーメトリクスの理論に沿ったもの。 昨年は、「ピッチャー大谷・1番」のリアル二刀流をソフトバンク戦でやってのけて、大谷がいきなりホームランを打つという強いインパクトを与え、ソフトバンクとの11.5ゲーム差を逆転する劇的なドラマにつなげたが、あのときの大谷1番と、今回の中田1番では意図も影響力も違う。 この日、新外国人のドレイクは、マルチヒットを放ったが、1番・中田が、2度、先頭打者として三振していれば、得点につながるわけがなかった。 栗山監督の「自分の中で思いをもってやっていること。翔が翔らしくならなければチームの連勝はない。信じていくだけ」という言葉にも説得力はない。データに基づいて「3番・筒香」や「7番・梶谷」という根拠のあるオーダー変更を仕掛けている横浜DeNAのラミレス監督の采配とは対照的。厳しい表現になるが、策士、策に溺れるーーーの暴走采配だったと言うしかない。 パ・リーグの野球に詳しい評論家の池田親興さんも、「栗山監督は、チームと中田本人への刺激と何らかの変化を求めたのだと思う。これは栗山監督の考えなので結果論だけで評論することは難しい。ただ昨年の大谷・1番が、ソフトバンクに与えた衝撃とは少し違うように感じた。1番にすることで、思い悩まずシンプルに来たボールを打てばいいという環境で打席に立たせてあげようという考えだったのかもしれないが、明日の試合は、何番を打たせるのだろうか。厳しい見方をすれば、そのあたりのビジョンが少しわかりにくかった」と、栗山監督の意図を理解しながらも厳しい意見。 奇策はひとつ間違えばチームをバラバラにしてしまう。大谷翔平の起用法も含め今は我慢の時だろう。