坂口健太郎「何もしなかった1日もすごく大事」 俳優デビュー10年 人生観や俳優業への思い語る
この10年での変化を尋ねると、「世界が変わったなと思います。Netflixもそうですけど、配信がすごく強くなって、世界配信も広がったので、そう考えると、見てもらうことはすごく無限に増えたなと思います」と回答。 エンタメ界の変化を感じつつ、自身がやっていることはあまり変わってないと言い、「僕がやってること自体は、朝起きて、現場に行って、打ち合わせをして、衣装に着替えてメイクして、セリフを言って、撮影してもらう。それは10年前から何も変わっていません。メインスタッフの雰囲気で現場が決まるので、僕が主演など作品の重要な部分を占める役をいただいた時は、現場の空気を変えられるようになってきたという変化はありますが」と語った。 そして、「将来こんな俳優になりたい」というビジョンは10年前も今も持っていないと明かす。 「23歳だった時に、10年後こんな役者になっていたいというのはなかったですし、今も、10年後の43歳に何をしていたいというのはないんです。面白いと思える役をやっていたいとは思いますが、こんな俳優になりたいという明確な目標や夢があると、僕の感覚だと、そこに一直線で行ってしまう気がして、目標や夢を決めず、ぼやかしています」 目指すところを決めてないほうが、想像を超えた未来に出会える可能性もあるし、自分自身もより鍛えられると考えているという。 「目標や夢に向かって進んでいくと、すごくきれいな道になると思いますが、ふらふら寄り道をしながらたどり着いた10年後のほうが、きれいな一本道ではなく、太い道になるのではないかなと。その感覚を自分の中ですごく大事にしていて、もちろん会社やマネージャーさんにある程度のことは決めてもらうけど、現場に入ると、明日のスケジュールだけでいいやと、そんな感じでずっとやっています」
自分の価値を高める作業をしないといけない
配信作品も増え、より多くの人に作品を見てもらえるチャンスが増えたことに関しては、とてもやりがいを感じているそうで、「垣根が低くなったからこそ、海外の方が『(作品を)見たよ』と言ってくれたり、海外の作品に呼んでもらえたりする機会は増えています」と反響を実感。 そして、「僕がやることは、作品に出ていろんな人に知ってもらって価値を上げることだなと思っている気がします」と述べ、「例えば、今回の作品をいろんな国で見てもらって、坂口健太郎という俳優自体の認知度が上がることは、価値につながると思うんです。そして、坂口健太郎が出ているから見ようという人が増えたら、それは価値が上がったことになるだろうし、そういう風に自分の価値を高めていく作業をしないといけないという思いがあります」と述べる。 続けて、「僕の価値が上がれば、日本の映画やドラマ、配信の価値も上がる」と言い、「例えば、ブラッド・ピットが出ているとなると、ブラピが出ているから見ようとなり、必然的にその作品の視聴者数が増える。どんなにいい作品を作っても、見てもらって初めて、作品の評価・価値が生まれると僕は思っていて、見てもらうことと名前を知ってもらうことは比例すると思うので、今はそれを高める作業をしています」と説明した。 日本の作品のクオリティをさらに上げていきたいという熱い思いも抱いている。 「韓国ドラマやハリウッドの作品は、もちろんクオリティも素晴らしいと思いますが、有名な俳優が出ていると見る人も増えるということで、彼らの価値によって予算が増えるというのもあると思います。クオリティを高めるためには予算は絶対に必要で、新しいことができる可能性が広がると思うので、その底上げにつながるといいなという思いもあります」