大雨で全線不通のJR美祢線をBRTに転換、専用道4・2キロ整備を提案…JR西日本が沿線自治体に
昨夏の記録的な大雨の影響で全線不通となっているJR美祢線(山口県)について、JR西日本は19日、バス高速輸送システム(BRT)への転換案を示した。沿線を走る国道316号が主な運行ルートで、道路と並行しない一部区間4・2キロを専用道として整備する。(小林隼、本岡辰章) 【写真】土台が流されたままのJR美祢線の線路
沿線自治体と構成する復旧検討部会の第3回会合で提案した。専用道は厚保―湯ノ峠駅間の線路に設け、被災前の1・5倍に相当する1日29本を運行する。運賃と所要時間は鉄道と同水準を維持し、設置駅は柔軟に検討する方針という。
JR側の説明に対し、自治体側は専用道14・1キロを備えて昨夏に開業した「日田彦山線BRT」(福岡、大分両県)など全国の先行事例と比べ、提案された美祢線の専用道が短いことから「速達性が十分に発揮できない」と指摘した。JR西日本広島支社の能登一明・地域交通課長は「道路との並行区間が多く、一定の速達性は確保できる」と理解を求めた。
次回会合は来年2月の開催予定で、JR側がバス転換にかかる費用などを示す。官民で共同出資する第3セクター方式の導入も検討する見通し。部会長を務める山口県美祢市の中島紀子・地域振興課長は「今後も鉄道での復旧とともに中身を協議したい」と述べた。