『屋根裏のラジャー』母娘役で初共演 鈴木梨央×安藤サクラが語る、“想像力”の重要性
鈴木梨央と安藤サクラが『屋根裏のラジャー』に参加して気づいたこと
ーーそんなイマジナリの世界を描いた本作ですが、お二人は親子役を演じられています。安藤さんは意外にも声優初挑戦でしたが、役作りで意識したことはありましたか? 安藤:私自身も母親なので、リジーと重なるところが結構多くて。娘がいま6歳で、彼女も想像力が豊かな子だと思うんです。自分自身がもともとイマジナリの世界を持っていたというのもありますが、俳優業って、自分の中でイマジネーションの世界を動かすような作業が多いんですよね。なので、子どもたちが持っている想像力……特に今回はアマンダのことを誰よりも理解してあげられるような気がしていました。誰よりも彼女のことをわかってあげられる存在になることに対しては、ものすごく自信があったんです。だから変に役を作るというよりかは、自然とできていった感覚でした。 ーー鈴木さんは役作りについていかがですか? 鈴木:アマンダは自分よりも年齢が低かったので、 自分の小さい頃の動画や出ている作品を観て、参考にした部分もありました。あと、アマンダは天真爛漫なだけではない、本当はすごく寂しい部分をもっていたり、彼女の中に孤独があるからこそ相手を傷つけたくない優しさや、一途な想いをどのように表現したらいいのかをとても考えました。 安藤:アフレコはずっと1人で自分のシーンだけをやっていたので、作品が完成して全体を通して観たときに、「こう繋がっていくのか!」とアマンダのシーンに引き込まれましたね。 ーーアマンダとリジーの親子の関係も素敵でしたね。 鈴木:大切な存在だからこそ、うまく言えなかったり、素直になれなかったり。私にもそういう経験がありますが、この映画は改めて家族の存在、大事な人との向き合い方、当たり前に過ぎていく日常の大切さに気付くことができました。 安藤:あとはやっぱり“想像力の大切さ”ですよね。人間の想像力って、すごいパワーだと思うんです。それを悪い方向に使ってしまう人もいますけど、人とのコミュニケーションがより大切になってくる時代だからこそ、想像力を働かせていい方向に変えていかなければいけないなと。家族のこともそうですし、そういう想像力の力や素晴らしさがこうやって映画になるのは、本当に素敵なことだなと思いました。
宮川翔